Japanese companies pay their workers little, but it may cost them a lot
Strikingly, as the cost of imports such as oil and raw materials has soared, the price of finished goods has remained stable and profit rates have not declined much. What explains this odd situation?
― 驚くべきことに、石油・原材料といった輸入品の価格は急騰しているにもかかわらず、最終製品の価格は安定したままであり、かつ利潤率はそれほど下落していない。この奇妙な状況は、どうやって説明されるのであろうか?
福田首相が、日経連に対してもっと賃上げを許容してほしいという、異例の声明を出した。しかし、今年の春闘はまたも襲来した円高のおかげで、経営側の財布は厳しい。
上の問いに対して、一橋大の深尾教授は企業が賃金を下げることによって、労働生産性を上げているためだと説明している。すなわち、アウトプット一単位に占める賃金の割合が減少すれば、それは労働一単位が生産する額が伸びたことと同一となる。現在の日本で、この労働生産性の上昇が技術進歩(これが、真に国民の生活水準を上げる)によって行なわれているのであろうか?―No。
本記事の図は、ここ十年間の日米欧の賃金上昇率の推移を示している。日本だけが、連年マイナスあるいは伸び率ゼロで推移している。正規社員を削減して派遣・パートに転換し、その上高給の団塊世代が退職しているために、賃金水準がずるずると下落しているのである。
記事は、長期的に見てこの傾向は正規社員の比率を減らすことによって企業が技術訓練への投資を怠るようになり、日本経済に悪影響を及ぼすであろうと警告している。去年から今年にかけて、大企業は団塊世代の穴埋めのために新規大量採用を再開している。小泉時代に流行った成果主義賃金は、その弊害が指摘されて流行遅れになろうとしている。日本経済の強みは、昔から変わらず均質な民族をじっくりと育てる稲作的人材育成にあるに違いないのだ。イチローのような華麗な渡り職人が日本人の理想であるような時代は、2000年代の終わりと共に去ろうとしている。