ヘンリー・キッシンジャー氏は、ニクソン大統領時代の国務長官。外交政策において、世界に知られたプロフェッショナルである。佐藤優氏の書くところによると、ブッシュ大統領が最も頻繁に会見する民間人の一人であるという。彼は、現在八十四歳。孔子は、七十になれば己の欲する所に従えども規(のり)を踰(こ)えなくなったと言う。孔子の生涯以上の年月を生きて来た学識と経験が豊富な年配者へのインタビューは、その言葉の端々までに智恵が行き渡っているはずである。キッシンジャー氏の言、心して聞くべし。
前アメリカ国務長官ヘンリー・キッシンジャー氏(84)は、J.マケイン上院議員への支持を表明しています。シュピーゲル誌は、キッシンジャー氏にインタビューしました:ドイツのアフガニスタンでのミッションについて。欧州諸国のイスラム過激主義への関与は、生ぬるいのであろうか。イランと直接対話を、進めるべきであろうか?、、、
インタビュー本文(February 18, 2008)
続きを読む "【読書録】SPIEGEL INTERVIEW WITH HENRY KISSINGER - シュピーゲル誌、H.キッシンジャー氏へのインタビュー" »
中国の秦漢時代、「罪を調べて殺す」ということが盛んに行なわれた。
秦代から前漢時代は、法家思想が最も力を得ていた時代であった。朝廷より公布される律令の文書は机や棚に満ちるほど多く、司直の役人ですら全てに目を通すことができないほどであった。法の網は仔細に渡ったので、誰もが法に触れずして生涯を終えることは難しかった。ゆえに皇帝は、殺したい家臣がいればそれを司直に引き渡して、その罪を調べ上げさせたのである。調べ上げれば、必ず大逆罪が確定される。従って、死罪である。始皇帝の宰相李斯は、こうして二世皇帝によって罪を調べ上げられて腰斬の刑に処された。
佐藤優氏は、彼や鈴木宗男氏が司直に逮捕された事件のことを、この書で「国策捜査」であったと書いた。彼らが起訴された罪状は、確かに法律に用意されていた内容であった。だが、法律をどのように厳密に適用するかのハードルが、小泉政権下で低く変化した。佐藤氏や鈴木宗男は、低くされたハードルのルールを適用されて、検察の捜査対象となった。だがそこまでハードルを低くした背景にあったのは、日本の国策の変化であったろうと佐藤氏は推察する。佐藤氏や鈴木氏を国が抹殺したいと望んだゆえに、それまでは問題にすらならなかった政治家と官僚の外交工作に法が厳密に適用されることとなった。ゆえに、鈴木氏を中心とした北方領土関連の汚職事件は、「国策捜査」であったと言う。
続きを読む "【読書録】佐藤優『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』" »