China's hunger for natural resources is causing more problems at home than abroad
今週のカバーストーリーはずいぶんと挑発的なタイトルだが、内容はもっと冷静である。
確かに、中国経済が資源を消費するスピードは戦慄的である。こちらの記事では、コンゴのカタンガ州で最近中国人の人口が急増していることを述べている。彼らは香港あるいは上海からやって来た、カタンガ州の銅を買い漁るビジネスパーソンたちである。ダフールではイスラム政府から石油を買って国際社会の顰蹙を買い、イランとヴェネズエラから石油を買ってアメリカを苛立たせ、スリランカ政府にも力を貸してかの政府のタミルゲリラ弾圧に弾みを付けさせている。市場経済 - デモクラシーの"Washington Consensus"が、国家資本主義 - 権威主義政治容認の"Beijing Consensus"に取って代わられる時代が、来るのであろうか?
しかし、記事は皮肉なトーンで、中国からの買い付けが途上国に金を落として、豊かさの増進によりかえって国際社会との協調にドライブを駆けている事態を、指摘している。建前の自由と人権だけ強圧的に押し付けて、実利を渡そうともしない先進国とは違った世界への貢献を、中国は現在遂行しているのかもしれない。自国の金融亡者どもを救済するために金利を下げてドルを下げっ放しにして、世界の貧しい人たちをインフレ地獄に落としている今のアメリカは、貧民の生活に貢献していると言う資格はない。陰陽一対の宇宙の原理にたとえるならば、正面から主義を通すアメリカは陽で、裏から実利を渡す中国は陰であろうか。陰陽が仲良く(?)喧嘩することは、世界の調和にとってかえって望ましいのかもしれない?
スピルバーグ氏の五輪スタッフ脱退事件が効いたのかどうか、中国はようやくダフール問題でも批判に頬かむりすることを改めた。しかし、中国の当局に取って最大かつ唯一のプライオリティーは自国の人民の生活安定であって、外国人の人権などは批判が高まってようやく渋々改める程度にしか考えていないことは、世界は認識しておいたほうがよいであろう。本記事もまた、中国当局をこれから最も揺さぶる力は内側から来るだろうと、指摘している。経済成長は、住民の忍耐の限度を超えるほどに公害をまき散らしている。こちらの記事では、広東省で賃金水準が上昇した結果、低賃金労働に依存した工場が大量に廃業している現状を、伝えている。経済の法則は、中国の汚れた工業をますます儲からない事業に転落させて行くであろう。
住民の反乱は、当局にとって最も恐ろしい。古来からの反乱の種は、三つある。一つは、餓え。一つは、学者。そしてもう一つは、宗教。当局は、まず民を餓えさせてないように配慮しなければならない(陳勝呉広の乱以来、民乱は必ず餓えが背景にある)。次に知識人にはことごとく当局のポストを与えて取り込み、加えて集団での批判運動は弾圧するのが吉である(天安門事件は、漢代の党錮の禁の弾圧と同一次元の治安政策である)。さらに、国家に取り込まれない宗教は、根絶やしにしなければならない(法輪功の弾圧は、やがて黄巾の乱に発展することを恐れたためであるに違いない)。中国当局が自国民を食わせるために世界で資源を買い漁り、かつ国内の人民が公害や不平等のために立ち上がることを最も恐れているのは、二千年前から続いている中華帝国の原則である。