メイン

India&South Asia アーカイブ

2008年03月09日

Battling the babu raj

India has some of the hardest-working bureaucrats in the world, but its administration has an abysmal record of serving the public

As India's economy grows, inflating land prices and increasing opportunities for private contractors, corrupt politicians and bureaucrats may find reliable sources of rent that do not involve stealing directly from the mouths of the poor.
― インドの経済が成長し、土地価格が上昇して私部門の取引機会が多くなるにつれて、腐敗した政治家や官僚たちは貧民の暮らしから直接に盗み取らずとも、利益の源を見つけるようになるかもしれない。

記事は、IAS(Indian Administrative Service)たちが赴任する地方でいかに多大すぎるほどの仕事量を割り振られているかについて書いている。IASは"collector"とも呼ばれ、厳しい選抜を受けて採用されたエリート官僚である。その制度はイギリスによるインド統治時代に遡り、現地人から英国的知性を持ちかつ英語を使えるエリートを育成して、少数のイギリス人による支配の手足となって働く役目を与えたところに始まる(ゆえに、"collector"=「租税を集める官吏」と呼ばれているのである)。独立後も、IASは変化することなく高いステータスを維持して地方政治において公正なトップ官僚として期待されている。
記事が描くように彼らの仕事はあまりにもハードであるが、彼らの数は増えつづける人口に比してあまりにも少なすぎる。勢い彼らの行政を補佐するもっと下部の組織の働きに頼らざるをえないが、彼ら以外の公的セクターの職員も、バーブbabuと呼ばれる地方の名士・政治家たちも、パンチャヤットpanchayatと呼ばれる村議会も、腐敗していることが甚だしい。そのため、政府が人民に届けるべく割り振られた資金は、人民に届くことなくどこかで消滅してしまう。その不満を助けてもらおうと、貧民たちがIASに押しかける。
「エリート以外、全て無能で全て腐敗」というアジア社会の構造は、おそらくどれだけ経済成長しても変わることがないであろう。アジア人で最も発達した社会である日本ですら、役所と政府は下に行けば行くほど腐敗しているではないか。よって、貧民を救う最上の策は、経済成長となる。経済が成長すれば、人民をいじめるよりもっとおいしい話が、ビジネスから湧き出てくるだろう。上は利権でうんと儲け、下はそこそこ生活が向上する。清潔な奇麗事を言うよりも、その方が仁政なのかもしれない。

About India&South Asia

ブログ「TheEconomist分析 - 耕稼陶漁のインテリジェンス」のカテゴリ「India&South Asia」に投稿されたすべてのエントリーのアーカイブのページです。過去のものから新しいものへ順番に並んでいます。

前のカテゴリはFinance&Economicsです。

次のカテゴリはJapanです。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.36