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Taiwan アーカイブ

2008年03月15日

Where a common market is divisive

Opening up to China becomes the island's main election issue

いよいよ、台湾では来週土曜日に総統選である。馬英九か、フランキー謝か。
馬英九は、「大中華市場」を公約にしている。EUのごとき、人・モノ・カネの往来完全自由な市場を台湾海峡をまたいで作るというのが、目標である。馬と国民党は、その先に中国への併合を見ているのであろうか。馬は香港出身のいわゆる「外省人」であって、台湾人としての島民のアイデンティティにどれだけ忠実でありえるかどうか。
世界中に散らばる華僑の目から見れば、「台湾国民」などと言って独立の気勢を挙げる勢力の動きは、理解し難い行為に映っているに違いない。台湾など、香港のように帰すべきところに帰せばよいではないか、と考えるであろう。今や香港は、すでに広東省と一体化してしまった。だが、台湾が「中華人民共和国台湾省」になってしまう可能性は、おそらく華僑が考えているよりも小さいと思われる。次の選挙では接線のようであるが、おそらく台湾の将来に大きく影を落とす結果となるであろう。フランキーならばこのままの付かず離れず路線でいくだろうが、馬だと大陸に取り込まれる路線を走ってしまうかもしれない。馬が乗る国民党は、すでに党首レベルで大陸と手を握っているのである。

2008年03月21日

The China card

Events in Tibet are bad news for the nationalists in Taiwan's presidential elections

民進党は、総統選の土壇場になっていつも神風が吹く。1996年には、中共が台湾海峡にミサイルを打ち込んでかえって大陸への不安を高めた。2004年には、阿扁が撃たれて(誰が撃ったのか?)同情票を集めた。そして今回は、チベットである。一月の立法委員選挙では、国民党の圧勝だった。もし何も起らなければ、土曜日は馬英九が大差で勝利していたことであろう。同日に行なわれる「台湾」名称での国連加盟申請の是非の国民投票についても、民進党の悪あがきとして一笑に付されていたはずであった。
阿扁の家族が絡む醜聞は、確かにひどすぎた。民進党が愛想を尽かされても、致し方のないものであった。しかし、総統選一週間前になって、この週末の投票は国内での人気投票の次元ではなくなってしまった。当初自治を認めたはずのチベットに軍を送りつけることしかしない大陸を信用するのか、否か。その選択が、島民に突きつけられる。

2008年03月24日

The Nationalists are back in Taiwan

An emphatic win for the Kuomintang’s Ma Ying-jeou

22日の総統選は、馬英九の圧勝に終わった。従来民進党が強かった高雄市をはじめ南部でも、国民党がより多くの票を集めた。高雄市は、フランキー謝氏がかつて市長を勤めた地盤であった。そして、国民党に忠誠を誓う「外省人」が多い北部地区とは違って、南部は「本省人」としてのアイデンティティが強かった。しかし、島民は国民党を大差で選んだ。台湾の島民は、アイデンティティよりも現実を選んだ。「外省人」と「本省人」の対立を叫ぶ民進党よりも、台湾人としての融和を笑顔で説く馬英九を取った。自由を圧殺する中共の脅威を叫ぶ民進党よりも、同じ言語を話す大陸への経済的チャンスを阻む足かせを取り除けと唱える馬英九が選ばれた。
本選挙の結果は、中共のみならず米国にとっても喜ばしいものであった。ブッシュ大統領は、早速馬氏に祝電を送った。ただし、日本にとって馬氏の勝利は、白黒付け難い。馬氏は大陸と島民の両者に色目を使うのが、政治的スタンスである。彼は、そのためにこれまで日本に対して見る目が冷たかった。彼が市長を勤めた台北市の公園には、日本統治時代の悪政を批判する展示がよく見られる。大陸と島民を繋げるための叩き台(いや、殴り相手)として、日本は最も都合がよかった。馬氏は、当選後の表明において日本のことをよく知らないと率直に認めている(だから勉強したいとも、言っているが)。少なくとも政治レベルにおいては、台湾は日本よりも中共へと力点をずらしていくことになるかもしれない。

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