鈴元仁’s Website ― 犬を連れた奥さん 第二章 ―

1942年夏、クリミア半島。
前年モスクワ攻略を後回しにするというヒトラーの戦略的判断ミスにより
ドイツ軍は長期持久戦に持ち込まざるを得なくなった。

ドイツ軍の次の狙いは、コーカサスの油田地帯。
ここを奪取して、ソ連の経済を麻痺させるのが目的である。
だがその前に、制圧しておかなければならない地点があった。

クリミア半島は、ルーマニアの油田地帯から爆撃機の到達範囲にある。
ドイツはルーマニアの石油に全面的に依存していたので、ここを制圧
しておかないと逆にドイツ経済が麻痺させられる。
ドイツ南方軍集団は、総力を挙げてクリミア半島に立てこもる強力な
赤軍と激突した。
赤軍最後の拠点は、巨大要塞都市、セヴァストポリ。
日露戦争の旅順要塞でも見られるように、伝統的にロシア軍は要塞構築に情熱を傾ける。
これでもかというぐらいにコンクリートを塗り固めた要塞は、並の砲撃では落ちそうにない。

そこでドイツ軍司令官、マンシュタイン上級大将が取り寄せたものは、、、
”Дама с собачкой” Антоном Павловичем Чеховом
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