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「イチオシ」番外編 蒋公にパイルドライバー!


≪ 今回のイチオシ ≫

『OL蔡桃桂』

http://tw.comics.yahoo.com/comics_list.html?p=comics_od&pg=0

ジャンル台湾ウェブ漫画
作 者RIVER
概 要主にネット上で作品を発表し続けている作者が、2003年6月からYahoo!奇摩(台湾のYahoo!)で連載中のフルカラー四コマ漫画。台中市にある公司(会社)の業務課に就職した主人公蔡桃桂と周囲のヘンテコな社員たちとの日常を描くスラップスティック。日常と書いたが、時に超日常に飛躍して暴走するギャップがまた笑える。ネット上で無料配信しているので、誰でも見ることができる。ただし当然ながら中国語(繁体字)。更新スピードは非常に早い。


※本ページは、unicode のCJK統合漢字を多用しています。見えない人はごめんなさい。


― 公司の屋上にて ―

艾ト冰「あなた、ずっとそんな風に鍛えてると、将来男友達を探すのに苦労するわよ。心配しないの?」
張瑜梢「心配?いつか私は鋼鉄のように硬い肉体の男性を探し当てるのさ!それが私の男友達になるの!」
蔡桃桂「どうだ?ここにある蒋公の銅像なら十分強くて固いだろ!、、、遠慮なく持って帰れよ。」


・・・・張瑜梢「垂直落下技!」(蒋公銅像、崩壊)

蒋公(銅像)「衰斃了(衰弱死しました)・・・」


蔡桃桂「銅像よりももっと硬いもの探さなきゃ、、、」
艾ト冰「そういう問題じゃないぞ」

2003/9/24「強硬的男人」より)


蒋公(蒋介石総統)の銅像に垂直落下技(つまり、パイルドライバー)を食らわせるなど、思いっきり誤解を恐れずにあえて言えば、日本で昭和天皇の銅像にフライングクロスアタックか北斗百裂拳を見舞うのに匹敵することである。蒋公の息子の蒋経国総統が戒厳令を解除して、「台湾はいずれ本島人のものになる」と発言した1987年が、いわば台湾の「戦後」の始まりの年と言ってよいかもしれない(その翌年に蒋経国は死去し、その後を本島人の李登輝(り・てん・ふぃ)が受け継ぐ)。ならば、今年2006年は戦後19年目に当たる。しかも台湾は日本の戦後のように「保守的」勢力が一掃されたわけでは現在も決してないことは、知っていよう。その状況でパイルドライバー。これが彼我の政治風土の違いなのだろうか?とにもかくにも、これぞ正しいギャグ魂である。

といっても、この作品にとってこういった政治がらみのネタなどは、薬味のほんの一部にすぎない。ビジネスから昼の弁当まで、良い意味で見境なくテーマに上せて会社コメディーに仕立てている四コマ漫画だ。オタク的ノリが濃厚で、しかも(多くの日本発作品が現在陥っているように)偏った方向にズブズブにハマらず、軽快にいろんなテーマをつまみ食いしている。まさに90年代テイスト爆発の作品なのだ。(そもそもが作品の随所に日本の漫画・アニメ・ゲームの影響が見える。90年代的テイストがするのも当然だろう。)

テーマは広い。作者の趣味だろうが、PC関係とゲームは一番よく出てくる。細かく描かれた戦車やヘリ、武器などが意味もなく登場するのは、作者の思い入れであろう。セラムンとかDQとか名探偵湖南コナンとか、日本人ならばすぐにわかるポイントもてんこもりだ。他にipod、ネット株、プリクラ、合コン、カラオケ、チャット、銘茶、イタめし、おにぎり、回転ずし、ボーナス、セキュリティーチェック、、、何のことはない、ほとんどが日本人にも直感的に理解できるテーマばかりだ(ただ台湾なので、さすがに四季がない。登場人物は年中半袖である)。何よりも、OLたちが勤務時間中にこっそりサボって雑談したり、昼休みに外で弁当買ってきたり、他社の若手と合コンしてみたり、クライアントとまずは名刺交換したりするような何気ない仕草は、日常我々が経験していることと同じ世界で全く違和感がない。

たとえば、こんなエピソード。

― 辦公室(オフィス)にて。蔡桃桂、PCの前で執務中 ―

蔡桃桂「うわぁ、、この文書、こんなに文字化け(亂碼)しちゃってる。」
竇輔「どれ、見せてごらん。、、、この文書の文字コード設定が飛んでしまってるんだな。こうやって設定をちょっと更新すれば、、」
蔡桃桂「あー、元はこうだったのね、、、」

使用者取得IP-Address及・・・・TCP/IP參數設定後、可透過DHCP client 之請求・・・ DHCP Server取得。當DHCP client・・・・DHCPDISCOVER。所有的DHCP收到租用・・・

蔡桃桂「まだ文字化けしてるよう!」
竇輔「、、、、、」

2005/5/25「亂碼」より)


IT関係の文書で横文字をやたらと使わざるをえない環境にあるのは、日本人も台湾人も同じ。まさにこれじゃあ、文字化け同然だ。

といってもやはり台湾独特のバックグラウンドも垣間見える。当然ながら食事は中華中心で、豬肝湯(豚の肝臓スープ)米血(鶏の血でもち米を固めた餅)などの日本人には少々なじみ薄い料理が出てくる。風水関係の話が時々出てくるのも、あちらの文化を感じる。さらに例を挙げれば、たとえば登場人物が時々台語(台湾語)で発音することによって相手に意味を取り違えたりされるギャグなどは、日本語に翻訳することが不可能なものだ。これには説明がいる。アジア太平洋戦争までの台湾に元々住んでいた人々のマジョリティーは、中国南部の福建地方からの移住者の子孫であった。彼らの言葉もまた、福建地方で話される閩南語(びんなんご)の系統のものである。しかし戦後国民政府が乗り込んできてからは、国民政府につき従ってきた人々の共通語である北方の漢語が公用語とされた。そのため多くの台湾人が大なり小なり二重言語生活をしているのである。この辺の事情は、外部人からは少しニュアンスがつかみ難い。

現在連載4年目に突入しようとしている。"jumping the shark"(意味は、英語版Wikipediaを読んで堪能してほしい)に陥らないように、せいぜい頑張ってほしいぞ!



― 登場人物紹介 ―

□女性の部□

蔡桃桂(つぁい・たぉくぃ)
データ :25歳・業務課勤務・未婚
ポジション :ボケ主人公
初出 :2003/6/16

「初めての仕事よ!たとえコピーでもお茶くみでも、きっとうまくやってみせる!」(第一件工作來了!不管是影印、倒茶、我一定會好好做的!)

― 「OL就職」より

主人公。ボケでイージーゴーイングな性格で、まあ言ってみればサザエさんが月野うさぎみたいな役どころだ。ただしアニメのサザエさんを考えてはならない。もっとしたたかな女性である。その上時々トイレネタ・生理ネタなどのきわどい素材も使う。とはいえ、料理や子供が好きだったりして、登場する女性キャラの中ではもっとも女の子らしい面を見せる。竇輔から想われているが、彼の正体を知らないために恋の相手にしていない(だが彼と気付かずに素顔を垣間見たときには、一目でのぼせ上がってしまった)。彼女の名前は点心の「菜頭粿」(つぁいとぅくぉ。大根餅の一種)を連想させるようで、時々オチに使われている(漢語だと発音が全然違うので、台語の読みからの連想だろうか)。


艾ト冰(あぃ・ゆぅびん)
データ :27歳・業務課勤務・未婚
ポジション :神秘女性
初出 :2003/7/09

「昇天しなさい!」(升天吧!)

― 「神秘女性」より

予知能力を持ち、占いは百発百中。退魔術もお手の物で、蔡桃桂の阿公(じいちゃん)の挑戦を何度も撃退。地霊の力を借りれば戦車の砲弾をもはね返す防御シールドを発生させたり巨大ゴーレムを作り出したりすることもできるし、また魔法石の力を借りて兇悪な邪霊を破砕したこともある。、、、一体どんなOLだよ!ちなみに、名前は「愛玉冰」(あぃゆぅびん。台湾で有名な「愛玉子」の冷やしゼリー)を連想させる。


張瑜梢(ちゃん・ゆぅしゃお)
データ :25歳・業務課勤務・未婚
ポジション :暴力女
初出 :2003/7/14

「あたたたたたた!!!」(啊噠噠噠噠噠!!!)

拳に生きる、格闘娘。仕事はできるのだが、会社の備品を破壊しまくるのでその弁償代で昇給分はチャラ。特に朱課長の机は激昂のあまりに何度も叩き壊している。公司最強の女子職員の名を賭けて、仏領ギアナ支店でLATTEと壮絶な格闘を行なった。彼女と艾ト冰がいれば、軍隊一部隊ぐらいを壊滅させる程のパワーがある。名前は「章魚焼」(ちゃんゆぅしゃお。タコヤキ)からの連想。格闘技一家の「章魚派」の娘で、もともと継承者となるために父親と共に南太平洋の章魚島に住んでいた。だが逃げ出してOLになったのだ。親が決めたいいなずけの花支完がいるが、実は同僚の沙小馬を恋慕していることを告白してしまった。歐巴桑(おばさん)限定男の彼を、なぜ?、、、彼女は修行のせいで、精神年齢が三十五歳越えだから(笑)。


言舒姫(やん・しゅうじぃ)
データ :28歳・業務課勤務・既婚
ポジション :銭ゲバ
初出 :2003/7/25

「たった今ポーズ取ったのは、一枚撮って二千元ね。」(我剛剛的的姿勢是説、拍一次照兩千元。)

― 「V形手勢」より

ペンを貸しても、写真でポーズを取っても金を要求する、見上げた愛錢(銭ゲバ)女。副業(いや、本業か?)の金融業で自家用ジェット機を持っているほど儲けている。羅伯斯は彼女の格好の搾取源である。結婚していて、子供がいる。彼女の名前は「鹽酢雞」(やんつぅじぃ。一種の鶏の唐揚げ)からの連想であるようだ。


牛舞花(にゅう・うふぁ)
データ :25歳・業務課勤務・未婚
ポジション :(古典的)眼鏡小姐
初出 :2003/9/05

「何見てるのよ?まださっさと仕事に戻らないの?」(看什麼看?還不趕快回去工作?)

レギュラーメンバー唯一のメガネOL。しかし、その性格はあまりよろしいとは言えず、上司に取り入って良い顔しようとして、そして失敗する。つまり古典的な「委員長メガネさん」系である。朱課長にしきりに取り入る姿が、他の社員に誤解される一連のシーンがあった。パソコンについては全くの無知で、朱課長に無茶苦茶なアドバイスをする。実はどうやらマッチョな男性がお好きなようだ。彼女の名前はたぶん「牛五花」(ニューウーファ)からの連想だと思われる。「五花肉」(ウーファーロゥ)と言えば霜降り肉のことだから、松阪牛・神戸牛などの高級霜降り肉が「牛五花」と呼ばれるのであろう。たぶん。


LATTE(拿鐵)
データ :23歳・仏領ギアナ支店勤務・未婚
ポジション :サソリ食い女
初出 :2004/5/19

「お前を倒す!!公司最強OL破壊王の称号を自らの手でつかみ取る!」(我要打敗你!!親手摘下公司最強OL破壞王的頭銜!)

朱課長が仏領ギアナ支店(原文:法属圭亞那分公司)に左遷された時の唯一の部下。大女で肌は黒く、サソリを平気で食らう兀突骨のような奴。公司最強OL破壊王の名を賭けて張瑜梢と闘う。その必殺拳の名は、、、「猜拳」!以下に、その説明を訳出しておく。

『これぞ拿鐵女子が独自に編み出した、新型格闘競技スタイルである。規則は至って簡単。一対一で剪刀(チョキ)石頭(グー)布(パー)猜拳(ジャンケン)を行い、勝者はまず相手に手で攻撃を行なうことができる。他方攻撃される側は防御することは許されない。こうやって順次進行していき、どちらかが倒れるか棄権するまで、続行するのである、、、』

あー、そうですか。


貓洱多(まぉるどぉ、、でよいのだろうか?)
データ :24歳・業務課勤務、その他未詳
ポジション :本当に人間なのか?
初出 :2006/4/03

「お魚の匂いだ、、、」(是魚的味道、、、)

― 「魚的味道」より

蔡桃桂の友達。登場時は会計課(原文:會計課)に所属していたが、支社長の人材集中戦略によって業務課に異動した。正真正銘の「猫舌」を持っていたり、オフィスビルの外にある日本料理屋のサンマの炭火焼(原文:碳烤秋刀魚)の臭いを嗅ぎつけたり、その能力はどうも人外の匂いがする。PCの前に座れば、仕事はとても早くて確実。なぜならば、マウス(原文:滑鼠)を追い回して捕まえるのが得意だから(笑)。猫ちゃんのぬいぐるみが大好きで、実はファンシーグッズに目がない歐雷恩と仲が良い。



□男性の部□

朱冩高(ちゅう・しぇかぉ)
データ :42歳・業務課長・既婚
ポジション :セクハラ上司
初出 :2003/6/30

「ふん!最近の若い奴らは、、、」(哼!現在的這些年輕人・・)

― 「飲水機前」より

もはや今の日本ではギャグとして許されない程の、見事な大時代的セクハラ上司。当然女性社員たちからひどい目にあうのがオチ。部下のたび重なる失敗に血圧が上がりっぱなしの毎日である。しかし支社長の彼の仕事への評価は高くない。一辺仏領ギアナ支店に左遷されたが、そのときには女子社員たちが奪回作戦を決行してGET HIM BACKしてくれた。なんだ、結構部下に慕われてるじゃないか?、、、、いや、そんなことはない。家に帰れば怕太太(怖い母ちゃん)が待っていて、「老婆」に戦々恐々の日々。言っておくが、中国語の「老婆」は普通に「奥さん」のこと。ただし、彼の「老婆」(ラォバァ)は本当に「老婆」(ろうば)だが、、、、課長の名前は豬血糕(ちゅうしぇかお。豚の血を固めて作った餅のような食品)からの連想だと思われる。台湾では愛好されているようだが、私はとても食べる気になりません。


羅伯斯(るぉ・ぼぉすぃ)
データ :31歳・業務課勤務・未婚
ポジション :GEC極大
初出 :2003/7/21

「僕は一枚しかシャツ持ってないんで、、」(因為我只有一件襯衫、、)

PC・ケータイ・ipodなどの最先端のガジェットに給料のほとんどを投入し、衣食住に回す金すら極小にまでケチる根性の男。いわば「ガジェット・エンゲル係数」(GEC)が極大までに高い。それでも金が足りずに、おかげで言舒姫さんに借金を重ねる重債務地獄に。上着とネクタイはボディペインティング(笑)。ネクタイに似せて毒ヘビを巻き付けて出社したこともあり、当然噛まれる。そんな彼にも、最近人生の春が来たようで、、、、彼の名前は、蘿蔔絲(るぉぼぉすぃ。大根の千切り。「蘿蔔絲餅」は、点心でよく見かける千切り大根の入った大根餅のこと)からの連想。


沙齊馬(しゃ・ちぃまぁ、愛称は「小馬」)
データ :26歳・業務課勤務・未婚
ポジション :歐巴桑KILLER
初出 :2003/8/18

「僕はね ― 天性のイカす男だよ。」(我啊 ― 是個天生的衣架子。)

― 「衣架子」より

甘い「抛媚眼」(流し目)と光り輝く「六塊肌」(鍛えた腹筋)を使って「歐巴桑」(おばさん)を悩殺する営業スタイルが身上の、自称「衣架子」(本来「ハンガー」のことだが、転じて「スタイルがいい」という意味が派生しているようだ。偶然かどうか、日本語で「イカす」と読める)男。ただし、その悩殺光線も35歳未満には全く通用しない。だが実は同僚OLの張瑜梢に思われていることが判明した。彼女は修行の成果で、精神年齢が見かけよりずっと高かったのだ。うまいことひっかけやがったな、オイ。


田闐圏(てぃあん・てぃあんじゅあん)
データ :5歳・支社長
ポジション :幼女だったら萌えたのに、、ねえ?
初出 :2004/2/27

「いいだろう、君にやってもらう仕事がいくらかある。」(很好、我有些工作要交辦給你了。)

頭脳明晰なお子様で、支社長(原文:分行經理)として乗り込んできた。朱課長の無能をイビリ倒す。ただし、ゲームの腕は蔡桃桂の方が上。朱課長を薬で眠らせて操り、彼の口から部下にテキパキと指令を出す名探偵コナンごっこに打ち興じる。


歐雷恩(おぅ・れぃえん)
データ :42歳・支社長の運転手兼ボディガード
ポジション :一日で十三人は葬る男
初出 :2004/3/03

「私に気を付けるんだな!」(給我小心點!)

― 「歐雷恩」より

経歴不明の運転手兼ボディガード(原文:經理的司機兼保鏢)で、支社に常駐している。張瑜梢が直感的に戦いを回避した程の強者である。職務に忠実で、ある日は支店長を守るために一日で十三人を葬ったという。だがその強面の裏には繊細な心を隠している、、、のだろうか?実はファンシーグッズが大好きなことが発覚した。それで貓洱多に紹介されて玩偶(人形)専門店に行ったら、闇金の派遣した借金取りと間違われてしまった。


竇輔(どぅ・ふぅ)
データ :27歳・業務課職員・未婚
ポジション :すれ違い豆腐男
初出 :2004/9/08

「本心から言います、、、僕とお付き合いしていただけませんか?」(我是真心的、、、請你跟我交往好嗎?)

― 「散場」より

顔の表面に豆腐が形成されて豆腐顔になる「豆腐症」に苦しむ、超やり手社員。合コンで蔡桃桂に一目ぼれして告白し、彼女を追って転職までしてきた。普段の豆腐顔は蔡桃桂に「大怪胎」(バケモノ)と思われて、彼女に見向きもされない。しかし無限に形成される豆腐を取り去った中身は、「師哥」(イケメン)だった!お約束ですね。要は、「ヒロインに思いを寄せる、ちょっと(?)変態で世間に誤解されているが、実は美形で有能」系キャラ。ちなみに顔の豆腐は食べられる。生臭風味だが、ご飯と一緒に食べると悪くない(羅伯斯談)。


花支完(ふぁ・ちぃわん)
データ :27歳・花枝派第三十六代継承人・未婚(?)
ポジション :タコヤキ娘より強い
初出 :2006/9/25

「俺の言ってることは間違ってないだろ?逃げた花嫁さんよ。」(我説得沒錯吧?落跑新娘。)

― 「花枝來襲」より

花枝派第三十六代継承人。彼の父親と張瑜梢の父親との間とで、「指腹為婚」の約束が取り交わされていた。これは、子供がお腹の中にいる時点で両家の親が将来の結婚を予約してしまう風習で、中国では古代から見られたものだ。張瑜梢にとってはいきなり言われてたまったものではないが、花支完を倒さないことには婚約解消はできないという。しかし彼は張よりも強い。さあ、どうなるか?「花枝」(ファチィ)とは、イカのことね。



□人外(?)の部□

阿公(あこん)
データ :死後三年・蔡桃桂のじいちゃん
ポジション :セクハラ鬼
初出 :2003/7/04

「おお!お前のOLの制服、ほんにええ感じやのお!」(喔喔―你穿OL制服眞好看!)

― 「OL就職」より

入社面接で朱課長に取り憑いて、孫娘の採用を強要した孫思いのじいちゃん。三年前に死んだので、今は鬼(くぃ。幽霊)である。支店に出没しては、朱課長以上のセクハラ行為を行なう。だが神秘女性の艾ト冰が宿敵で、何度も撃退されている。それにしても女子トイレに現れるのは、どうしたものか、、、


小惠(しゃおふぃ)
データ :年齢不明・業務課勤務
ポジション :元人「面」魚
初出 :2004/10/13(ただし名前が明らかになったのは、2005/6/08

「私がもし今日人魚じゃなかったら、もしかして、、、」(如果我今天不是個人魚的話、説不定、、)

― 「小惠遇難」より

海から捕獲された、可憐な人魚、、、、、人・・・魚、、、人面魚(笑)。捕獲されて水族館に展示されていたのを、艾ト冰に紹介された羅伯斯が見初める(始めは気持ち悪がっていたが)。多大な苦難を乗り越えて、種族の差も乗り越えて、二人のロマンスは実るのであろうか?とりあえず現在のところは魔法で人間に変身して、蔡桃桂たちと同じ公司で働いている。人間生活での名前は、莎拉・百惠(しゃら・ばぃふぃ)。彼女の技能は当然、海産物のエキスパート。





― 徹底解剖 ―

法屬圭亞那篇 (2004/4/26 - 2004/6/14)

あらすじ:田支社長から業務課の業績低迷の原因として引導を渡された朱課長は、南米の仏領ギアナ支店に飛ばされてしまった。代わりとして支社長が導入した「超合金課長」シリーズはプロトタイプゆえのトラブルの末、暴力女の張瑜梢の拳によって你已經死了。たとえ「好色討厭」(スケベでウザい)でも機械よりはましだ、と思い直して、蔡桃桂以下の業務課OL軍団は、仏領ギアナに飛んで朱課長を「弄回來」(奪回)する作戦を決行したのであった、、、勝手に。

選擇題
田支社長「問題、、、業務課の業績と企画実行効率を上げるためには、何をなすべきか?次の三つの中から選びなさい。」普段から朱課長に厳しい支社長が下した三択問題。当然正解は、朱課長を即刻に課から更迭すること。それにしても三つ目の選択支「女性社員は性感開高岔泳裝(要は、ギリギリまで見せる例の超過激水着のことだろう)を、男性は丁字褲(ビキニパンツ)を穿いて勤務する」は、五歳のお子様が言う言葉じゃないなあ、、、

超合金課長一號
田支社長「これぞわが社が同業他社にさきがけて導入した、、、超合金課長壹號―!!!」超合金!懐かしい言葉だ、、、わざわざ「一」の字に難しい字を当てているのが、いかにもなノリで嬉しい。この辺から日常生活の中にSFを割り込ませる、日本の漫画でおなじみのムードが漂ってくる。デザインが武骨で大時代的なのが、逆に味がある。ところで結局朱課長はといえば、南米のフランス海外領土である仏領ギアナ支店に転任させられたのであった。ここはかつて「悪魔島」(映画『パピヨン』で有名)という監獄が置かれていた、一度入れば二度と出てこれない流刑地であった。

多工作業系統
超合金課長壹號は多工作業(マルチタスク)の優れもの!男性・女性社員双方のハートもガッチリキャッチだ!だが、並行してタスクを実行してまうと、気持ち悪い。超合金課長は、羅伯斯ら男性社員たちと職棒隊(プロ野球チーム)の話をしている。台湾にはむかし嘉義農林という学校があって、甲子園大会で準優勝した。世界でも数少ない野球の盛んな土地である。いっぱんにアメリカよりヨーロッパの方がつながりが強かった土地は、サッカーの方が圧倒的に盛んである。台湾の野球の下地は日本統治の置き土産といえようか。日本とは基本的に敵国であった大陸中国には、野球の伝統がない。

白老鼠
網路(ネットワーク)を通じてアップデートをしていたら、、、、大変だ!ウイルスに感染した!超合金課長壹號はウイルスに乗っ取られて、羅伯斯をシューティングゲームのターゲットに。田支社長「この出たばっかりの第一代機種は、ぜんぜん不安定だ。メーカーの白老鼠(ハツカネズミ。つまり実験品)だったんだな、、、」

致命一擊
暴力女の張瑜梢の一撃によって、超合金課長壹號は物理的に終了。しかしさらにパワーアップした超合金課長第二代がまた、、、

練習
牛舞花は、早速超合金課長第二代に取り入るための練習に余念がない。「處理機(プロセッサ)を動かして、さぞやお熱うございましょ?私、あおいでちょっと温度を下げてさしあげますね!」、、、ん?牛さん結構コンピュータのことわかってるじゃないか?しかし、練習は張瑜梢によって無駄に終わった。

懷念朱課長
蔡桃桂は超合金課長にうんざりして、どういうわけか朱課長を懐かしむ。それを聞いた張瑜梢に艾ト冰、ならば朱課長を仏領ギアナから連れ戻せばいいのだといきなりの提案。しかし蔡桃桂、「等一下(ちょっと待て)・・・要用什麼方法去呢(どうやって行けばいいって言うのよ)?」そんな時には言舒姫さん。「私んちの旅客機に乗って行きなさい!」ジェット旅客機を持っているOL!恐るべし。しかしそんなことよりも、勝手に連れて帰ることに何の疑問も持たないのか?

行動開始
自家用ジェット旅客機まで持っている言舒姫さんにとって、OL仕事はただの趣味。だから朱課長がいないと面白くないので、三人組に仏領ギアナまでの足を提供したのであった。やってきたのはギアナ支社、、、よく見たら屋上に高射砲が!要塞か?張瑜梢は飛んでいた虫を握りつぶして気合を入れるし(ちょっと日本漫画の格闘娘系キャラがやりそうにない仕草だな)、艾ト冰に言わせれば土地の「気」も悪くない。さあ、行動開始だ!最後のコマで蔡桃桂がスペシウム光線のポーズを取っている。

突擊
支社の入口は、門衛により厳重にセキュリティチェックがなされている。それにしてもどうして軍服・銃携帯なんだ?まず蔡桃桂が偽りの公用を正面から彼らに申し立てて、その間に張瑜梢が最適の攻撃位置に回りこみ、、、「左右開弓三連擊」!右肘打ち、左拳ボディブロー、そして右腕ラリアットの連続攻撃で、門衛をダウン。ところが既に連絡を受けた応援の大部隊が後続に詰め掛けてきた!OL破壊王・張瑜梢も武装した部隊の大軍に対しては、倒す術がない。こうなったら策は一つだけ、、、、「逃命吧(逃げよう)。」この辺から、格闘技やゲーム絡みのネタが増えてくる。そちら方面の私の知識は不十分なので、「不宣」(舌足らずは許せ)。

逆轉
拳は強くてもマシンガンの使い方を知らないとは、張瑜梢も甘いのお。それではジャギに勝てないぞ。重装備の大軍の弾雨を前にしてなすすべもなく逃げる二人。しかし、突然起った氷結現象!部隊は氷漬けになって全滅。艾ト冰いわく、「ただオゾンホールとアンチエルニーニョ(ラニ―ニャ)現象が重なって起った、気象の激烈な変化よ。」、、、そんなわけあらへんで、、、ちなみにここでアンチエルニーニョを「反聖嬰」と表現している。エルニーニョ El niño はスペイン語で、直訳すれば「男の子」という意味だが、これはキリストのこと。だから、「反-聖(なる)嬰(児)」なのだ。

拿鐵
出た!女兀突骨・LATTE!多少ポリティカリー・インコレクトな臭いもする「外人」キャラだが、まあよしとしよう(この漫画の他の箇所にはもっとポリティカリー・インコレクトなシーンもあって、たぶん日本では許されないだろう)。驚いたことに朱課長が左遷された部署は業務第四課だから、ギアナ支店には他に三つも業務課があるというのか。人口希少なギアナで、何の営業をしているのだ?、、、やはりこの支社の異様な防衛体制から推察して、ABC関係のヤバい兵器でも取り扱っているのだろうか。

重兵器
蔡桃桂「変だ!このまんがって、OL四コマ漫画じゃないの?なんでこんな武器がわんさか登場して銃弾が雨霰と飛び交うシーンが出てくるんだろ?」と、彼女が思ったそばからタンク(坦克)が登場!砲塔の形式が古臭いのは、作者の好みでしょうな。艾ト冰「ここは私に任せなさい、あなたたちは課長を探しに行って、、、」うーん、ジャンプ的王道だなあ。

艾ト冰vs坦克
タンクの砲弾が艾ト冰を襲う!しかし、、、やはり彼女は強かった。「この土地の気は、私にとってとても心地よい、、、決めた。挑戦してみよう、今まで完全に成功させたことがない、あの召還術を、、、」この辺はファンタジーでおなじみの展開だね。タンクが発射するときに鳴る擬音が、「ドン!」である。日本語の影響だろうか(「口へんに冬」の字は、unicodeにすらない)。その砲弾が「咻嗚嗚嗚嗚嗚嗚(シューーーーーッ、だろうな)!」と艾ト冰に向って飛んでいく。この当りは漫画の文法に則った演出だ。だいたい戦車の砲弾はとてつもないスピードで飛んでいくので、至近距離ならばほとんど撃った瞬間に対象に当る。『プライヴェート・ライアン』はその辺を正しく演出していた。スペースオペラで光速で進むはずのレーザーが飛んでいく軌跡が見えるのと同じ、お約束だ。

攔路者
訳なんかなくても、何を言っているかほとんどわかるだろう。蔡と張の行く手をはばむ者は、、、

張瑜稍vs拿鐵
LATTE「数年前に公司のイントラネットでお前の資料に行き当たった。オフィスのパーティションと機材を無数に破壊し、全公司最強的OL破壊王と呼ばれている、と。その時から、、、私はいつもいつもお前と相見えることを望んできたのだ。まさか、今日本当に会うことができたとは。私は、、、」
張瑜梢「こういったやり方で名乗りを挙げるの、マジでウゼーな。(真討厭用這種方法出名。)」
格闘系漫画で新しい敵が現れたときにしゃべる自己紹介は、設定が複雑になればなるほど長くなっていく。しまいには闘っているのか昔語りをしているのか、わからなくなる程になるのだ。まあとりあえず自己紹介は一コマで終わり、対戦は張に任せて蔡桃桂は課長を探しにいく。だがLATTEが言う、張瑜梢の「致命弱点」とは?そしてLATTEが編み出した「必勝格闘技」とは?

發現課長
というわけで、朱課長を探し出しました!しかし、「不燃ごみ(不可燃垃圾)」と書かれているのに、見たところ生ゴミがずいぶん混じっているぞ、、、海外支社で、企業倫理が不徹底なのだろうか?一方、張瑜稍はまさかの苦戦!?

猜拳
「格闘猜拳」の内容については、LATTEの紹介の項を参照。ちなみにジャンケンは中国で発明されたゲームである。中国から日本に輸入されたときに、どういうわけか「パー」の意味が布から紙に変化した。ものの本によると、この遊びの起源は後漢末期に遡るという。当時群雄相乱れ、いつとも果てぬ戦いが続いて決め手がなく手詰まり状態となった時期に、戦いの勝負を決めるために英雄たちの間でこの遊戯が行なわれるようになった。諸葛亮「都督どの、またしてもそれがしの勝ちでござるな、ハッハッハ」周瑜「こ、、孔明!お前は鬼か魔か、それとも後出しかっ、、、ぐほっ!」(もちろんウソ)
とにかく、張瑜稍は極端にジャンケンが弱かった!一回も勝つことができずに、三十連敗。たぶん規則正しく出しているんだろうな。張瑜稍「たった一度さえ当てることができれば、、」LATTE「もはやお前にその機会はないわーっ!くらえ、我が最後の一撃!」

幻覺
割り込んだ蔡桃桂、無我の勝利!確かにこのまま張にやらせていたら100%負けていただろうから、少なくとも67%負けることはない蔡が代行した、彼女のとっさの判断は確率論的にも正しい。大した肝を持ったOLだ。一方朱課長は、錯乱状態に、、、

準備脱出
朱課長を引きずって外に出ると、、、辺りは全滅していた。艾ト冰の召還術が地殻活動を刺激して、地震を起こしたのだろうか。それにしても字で「全滅」と書けば状況がすぐにわかるところは、漢字の偉大なところだ。漢字を使えば、意外な表現もできる。例えばこの話でホッチキスの針が光って「鋭利、、、」と書かれている表現などは、ちょっと日本語にない。再び現れたLATTEが持っている危険物は、、、

大危機
LATTEの持つ超高性能炸弾!こうなったら全員を道連れにするつもりか?「神経病!」という罵り言葉は分かりやすすぎて、余り使うべきではないでしょうな。張瑜稍はもはやHPが残っていない。艾ト冰のMPも、瞬間移動や防御壁を作るには足りない。どうやらGAMEOVERか?ところが、、、

成功脱出
うーむ、あの爆発でもまだ生きていたのか、、、恐るべし。張瑜稍を挑発して「機上に出て私と戦え!」と挑発するが、女兀突骨の出番はひとまずこれでおしまい。しかし後に再び登場して、張に再選を挑むことになる。

結局
ギアナ支店の壊滅は、超異常気象・大地震・テロリスト(恐怖分子)によるものだとされて、OLたちの所業は朱課長の命を救出した行為だと支社長に理解された。そしてそれほどまでに部下を動かさせた朱課長は支社長に見直されて、結局転属辞令は撤回されることに。すごい結果オーライだ。だが支社長の本音は、予算不足で超合金課長三號の導入が難しいから朱課長を呼び戻したようだ。何はともあれ、朱課長は再び業務課に戻って来た。左遷期間の記憶を全て失ってしまっていたが、、、







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