自分で作ってみればわかるが、関西風お好み焼きというのは、特にこだわりさえしなければピザなんかよりもずっと簡単に作れる。広島風お好み焼きは、少々高度の技術が要るが。焼きそば、たこ焼きもそうであるが、日本のB級料理は家庭レベルの技術で作れるギリギリの範囲内にとどまっているものばかりだ。日本ではどこの家庭でも、日曜日の昼間から台所でいそいそと昼食作りに精を出している。お祭りの日でもないのに、よくもまあ手を動かすものだ。近年、アメリカからの輸入概念として「スローフード」Slow Food とか「ロハス」 LOHAS, Lifestyles Of Health And Sustainability とかが広告でも取り上げられるようになった。しかしながら、私が思うにそれらは放っておけばデリバリーとジャンクフードに堕落してしまう彼らの生活リズムから提唱された一種高尚なライフスタイルなのではないだろうか。日本人には、手と頭を細かく使う本来の生活リズムがあるはずだ。それをきっちり守ることこそが、健康な暮らしを送ることにつながるのではないかと思うのであるが。だから晩飯ぐらいは君たちのオカンにならって、手を抜かずに作りなさい。なんてね。
(以下は、1枚分の分量)
豚バラ薄切り肉 2枚 |
メリケン粉 カップ2/3 |
千切りキャベツ 茶わん1杯 |
卵 1個 |
長いも 10cm |
青ねぎ 1本 |
みりん 大さじ1、顆粒だしの素 小さじ1、水 カップ1/2程度 |
焼きそば 1玉 |
ウスターソース、その他上にかけるソース類 |
ふっくらとしたお好み焼きを作るための秘訣は、キャベツの千切りをできるだけ薄く切ること。向こうが透けて見えるぐらいの薄さが、ちょうどよい。これによって柔らかな仕上がりになる。
ボールにメリケン粉、みりん大さじ1、顆粒だしの素小さじ1を入れて、大さじ1ぐらいの水を少しずつ加えながら練っていく。
卵、みじん切りにした青ねぎ、すりおろした長いも、キャベツを加えて混ぜ込む。関西風のずっしりしたテクスチュアを出すために、長いもはできるだけ加えたい。今回は入れていないが、定番の紅しょうが、天かす、桜えびを加えるのももちろんいいでしょう。他に水を切った木綿豆腐を手づかみ一杯加えると、食感になめらかさが増す。
そばの前準備。フライパンに油少量をひいて焼きそばを炒め、ウスターソース大さじ1で味をつけておく。
改めてフライパンに油を薄くひいて熱し、まず豚肉を置く。
すかさずその上にお好み焼きを伸ばし置き、上にそばを乗せる。そしてこのまま下面が固まってひっくり返すことのできる状態になるまで、身構えて待つ。あせってやると、むざんな崩壊が待っています。
ひっくり返した。表面がまだ十分焼けていないが、裏面が固まった時点でもう一度ひっくり返して焼けばよい。焼く時間は、初めてひっくり返してから、トータルで5分程度。上からパンパン叩かない。叩いたらぺしゃんこになってしまいます。
フライパンが熱いうちに、お好み焼きソースを塗る。はみ出して焦げる程にたっぷりと。ソースの焦げの匂いも、お好み焼きの味のうち。これ常識。
マヨネーズ、からし、青のり、かつおぶし、好きなものをかけるべし。本当は鉄板の上で切って食べるのが一番なんだけれどね、、、