中華丼には、漢語(中国語)の料理名がない。漢語でも「中華丼」である。それもそのはずで、これは日本で考案されたものだ。昭和はじめごろの東京の中華料理店で、客の提案で八宝菜を飯にかけたところから始まったという。実は私はこの料理を大学で東京に行くまで知らなかった。東京と違って大阪にはラーメン屋や中華料理屋が少ない。大阪市中に行けば「珉珉」などの店があるが(この阿倍野橋店は汚いが実にいい店だ)、郊外ではそれこそ「餃子の王将」が中華料理店としてチェーン展開するまでは、街中に一件もあればよいほうだった。そういうわけで中華料理を食べる機会そのものが少なかった上に、この東京オリジナルの中華「風」料理はまだこちらに進出していなかった状態だったのだ。東京の店では、早稲田の「芳葉」の中華丼がすごいボリュームで印象に残っている。(私が在学中当時の)店員はちょっと愛想悪かったが、、、
(以下は、1人前の分量)
ごはん 丼一杯 |
豚細切れ肉 50g |
白菜 2枚 |
にんじん 3cm |
干ししいたけ 戻した状態で大さじ1 |
卵 1個 |
青ねぎ 1本 |
《調味料》水 カップ1/2、中華だしの素 小さじ1/4、塩 小さじ1/4、砂糖 小さじ1/2、しょうゆ 大さじ2、かきソース 小さじ1/2、酒大さじ1、こしょう少々 |
水溶きかたくり粉(かたくり粉と水を等量) 大さじ1 |
ごま油、塩、こしょう、油 |
素材や切り方は、以前和風八宝菜を作ったときとほぼ同じ。白菜は5cm四方の角切り、にんじんは短冊切り、青ねぎは5cm幅の縦切り、干ししいたけは薄切りに。豚肉は食べやすい大きさに切って、塩・こしょうをふる。
鍋を熱して油大さじ1/2を入れ、白菜とにんじんを炒める。野菜がほぼ炒まったら、しいたけを入れてさらにもう少し炒めて、取り出す。
丼ものには、やはり卵がほしい。そういうわけで、ごはんと具の間に薄焼き卵をひいてみようと。鍋に油少々を加えて熱し、溶き卵を流し入れる。焼きあがったら、丼に盛ったご飯の上に乗せ敷く。
鍋に改めて油大さじ1/2を入れて熱し、豚肉を炒める。豚肉が炒まったら、野菜を戻し入れる。
調味料と青ねぎを加えて、1分間ほど煮込む。仕上げにごま油少々をたらして、水溶きかたくり粉を入れて整える。
具を卵を敷いた丼の上に乗せて、できあがり。