中国歴史小説「知兵之将」

今、鈴元仁は歴史小説をブログで連載しています。

内容は、二千二百年前(!)の古代中国です。

始皇帝・項羽・劉邦・韓信・張良・虞美人・呂太后、、、

これらの名前にピンと来た方、あるいは、

郡県制・儒教・陰陽思想・法家思想・孫子兵法、、、

こういったことどもにちょっと興味をそそられる方、

よろしければ読んでやってください。

もしお気に入れば、ついでにランキング投票も。

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散る日本 - 高台寺山門

(カテゴリ:半徑半里圖會

高台寺の境内は、少し外れにあるこの山門から始まって、背後に広大に広がっている。現在は境内に店屋などが並んでいて実感できなくなっているが、実は東山屈指の巨刹である。天下人・秀吉の正室北政所が隠居した寺だけのことはある。


PB280001.JPG


高台寺山門の前は、すでに落葉で敷き詰められていた。京都の紅葉の季節も、もはや盛りを過ぎようとしている。春に散る桜を楽しみ、秋に落葉を愛おしむ。日本人はつくづく散る景色が好きな民族なのだろう。見かけはひょろりと頼りないが、夏を過ぎてもなかなか散らない槿(むくげ)の花は、韓国の国花である。春夏秋冬の季節を問わず繰り返し咲くことのできる薔薇の花は、イギリスの国花である。いずれも散る景色を喜ぶ花ではない。一年のうちに二度もセンチメンタルな季節を経験する日本の民が、何につけても情緒過剰になってしまうのも、致し方ないことだ。

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