今日は、一年で最も昼が短くなる冬至の日。冬至の日とクリスマスとがほとんど接近しているのは、偶然ではない。12月25日はもともと古代末期のローマ帝国でキリスト教以上に流行していたミトラ教の、冬至の大祭の日であった。このミトラ教はペルシアが起源でギリシャのヘリオス神信仰とも習合した太陽神信仰であり、「背教者」ユリアヌス皇帝が信仰していた宗教でもあった。すでに国家の庇護を受けて勢いに乗っていたキリスト教会が、ミトラ教を圧倒するために、あえて敵の宗教の大祭の日をイエスの誕生日として指定して敵の宗教行事を乗っ取ったのが、クリスマスの真の起源なのだ。イエスの本当の誕生日は、全く明らかでない。
さて日本の冬至の日は、陰陽思想による「一陽来復の日」として、柚子(ゆず)湯につかるのが昔からのならわしである。昔は銭湯でもこの日にはゆずの塊を網に入れて湯船に放り込み、香り立ち昇るゆず湯を作っていたものだ。今や銭湯じたいがほとんど見られなくなってしまい、スーパーでは各家庭用に小さなゆずがばら売りされている。写真は、四条裏寺町の西導寺で撮影したもの。見事な鬼柚子だ。だが日の光はのどかに暖かく、冬の盛りであるはずの今日の暦の寒さはほとんど感じられなかった。