正月の京都で最もにぎわうのが、南の伏見稲荷大社と、この祇園の八坂神社。大晦日の夜から元旦にかけては大した人手だったようだが、正月三日の今日にもなると混み合いようも中ぐらいだった。
新暦の一月上旬は、草木も枯れる季節。しかし正月の期間だけは、こうして神社の境内に御神籤(おみくじ)を結んだ白い花が咲き誇る。訪れた多くの参拝者が残した花だ。このうち、去年の願いがかなったもの、あるいは今年の希望が実を結ぶものは、いくつあるだろうか。この白い花々も、その中身は満願の花、半願の花、あるいは残念ながらため息に散る徒花(あだばな)まで様々だろう。とにもかくにも、新年おめでとうございます。
さて午後にもう一度足を運んでみると、能舞台上で恒例の百人一首が行なわれていた。古装束に扮した上での奉納遊戯が、参拝客の足を留めて舞台下に集まらせる。今日の午後はよく晴れて、神社を訪れる人数も次第に増えていった。