吃生肉←漫畫(まんが)ページへ
吃生肉(生肉食い)の習慣は、実は中国では長い間ふつうにあった。膾(クァイ)は、古典の文献でしばしばご馳走として言及される。膾は日本語では「なます」と読まれる。意味は、そのものズバリ生肉のことだ。孔子も、肉や魚の膾を醤(シャン)につけて食べるのを好んだと言う。醤とは、肉や魚、あるいは豆を醗酵させて作った調味料のことだ。魚醤や肉醤、それに大豆で作った豆豉(ドウチィ)や醤油などがある。
それが中国ではどういうわけか、すたれてしまった。だが中国文化を古くから輸入した韓国では、生肉食いの習慣が残ったようである。牛肉の膾のユッケが、現在も食されている。
現在の中国人が日本食の影響で刺身を食べ始めているのは、昔の習慣が復活したと言えようか。もともと醤油文化圏だから、味覚が連続しているのである。魚食の需要は、中国で今後間違いなく増えるだろう。これからはビジネスチャンスなのに、日本の農漁業は壊滅的に病み衰えている。所得が上がれば農漁業を蔑視するのも、我らの文化の遺伝子なのであろうか?