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ロシア民謡『ステンカ・ラージン』を補訳してみた --->2009年03月23日

滝廉『花』の韓国語訳 --->2009年03月25日

『何日君再来』コード進行&試訳 --->2009年03月26日

アイルランド民謡"The Recruiting Sergeant"の訳&コード進行 --->2009年03月28日

『ステンカ・ラージン』演奏してみた、、、 --->2009年03月31日

"The Lincolnshire Poacher"の訳&コード進行 --->2009年03月31日

『花』韓国語バージョン --->2009年03月31日

『旅立ちの日に』替え歌:鈴元仁 --->2009年04月05日

『旅立ちの日に』を、練習中 --->2009年04月07日



2009年03月23日

ロシア民謡『ステンカ・ラージン』を補訳してみた

久遠にとどろく
ヴォルガの流れ
目にこそ映えゆく
ステンカ・ラージンの舟

ペルシャの姫なり
燃えたる口と
うつつに華やぐ
宴が流る

ドン・コサックの群に
今わくそしり
奢れる姫なり
飢うるは我ら

そを聞きステンカ・ラージン
舳先に立ちて
姫をば抱き上げ
雄々しく告げぬ

ヴォルガ、ヴォルガ、母なる
我が魂(たま)が故郷(さと)
謹み差し上ぐ
野人(のびと)の花を

我らは頚木(くびき)を
打ち捨て立てる
自由の民なり
諍いぞ断たん!

これみよとステンカ・ラージン
姫をば差し上げ
さかまく波間に
投げておとしぬ

(語り)「ど阿呆!喜べ!踊ろうぜ!
さあ黙ってないで、兄弟!」
舟歌奏でよ
姫眠る河に

島影すぎゆく
ヴォルガの流れ
さみしや ステンカ・ラージン
眉根ぞかなし

この高名なロシア民謡の日本語訳詞は、これまた高名な与田準一氏の手になるものである。
与田氏の訳詞は創作訳とも言ってよいほどに自由な訳であり、原詞とはずいぶん違う。ドン・コサックのラージンへの謗りは、原詞では「奢れる姫」のためではない。むしろコサックたちが、「ラージンめは、嫁など娶って、すっかり女の腐った奴になりやがった」と、やっかみ半分で不満を述べているのだ。

私は、与田氏の訳詞に対して、原詞にある三つの聯を、追加して訳してみた。
なかなか劇的になって、グーだと思うのであるが。
語りの部分は、歌うときにも情感をたっぷり込めて、語らなければならない。

この曲のコード進行は、G調ならば、

G D D7 Em C Em7 D G

F調ならば、

F C C7 Dm B♭ Dm7 C F

となる。
G調の方がはるかに簡単であるが、私は試しに歌ってみたところ、キーが高い。それにG調では、明るい響きになってしまい、もの哀しさにやや欠ける。それで、1音階下げたF調で、練習することにした。バレーコード出まくりの、地獄のF調で。とうぜん、バレーコードなんざ、まともに押さえやしない。Fは五弦で、B♭は四弦だけ握って、ごまかす。これ、初心者の基本ね。

練習した後の、結果。
F調は、うまくいかない。肝心かなめのFの音が、省略コードの上に握りがヘタッピなために、きれいに出ない。この曲にぜひとも必要な、重厚な音が出ない。
そこで、さらに半音階、下げる。

E B B7 C#m A C#m B E

Bが、バレーコードで難しい。しかし、この曲はあまりギターがいらない。だから、EとA、それに悲哀を出すC#mがきれいに出れば、なんとかサマになりそうだ。これらの握りは、簡単だ。

2009年03月25日

滝廉『花』の韓国語訳

私が訳した『花』の韓国語訳を、歌えるように小節ごとに区切ってみた。
試しに自分で歌ってみたが、歌える、歌える。バッチリだ。

화창한 봄의, 스미다강.
ファチャンハン|ポミ|スミダガン
올라 내리는, 뱃사람들의
オルラ|ネリヌン|ペッサラムドゥリ
노의 물방울이, 꽃이 되고, 지다.
ノイ|ムルバンウリ|コッチ ドェゴ チダ
이 경치를 무엇에, 비유 할 수 있어?
イ ギョンチルル|ムオセ|ピユハルスイッソ

보지 않았어?새벽의 이슬을 받아
ポジ アナッソ|セビョギ|イスルル パダ
나에게 이야기를 거는 벚꽃나무를.
ナエゲ|イヤギルル コヌン|ポッコッナムルル
보지 않았어?황혼에 손을 펴
ポジアナッソ|ファンホネ|スヌル ピョ
나를 부르는 푸른 버들을.
ナルル|プルヌン|プルン ポドゥルル

비단의 옷을 껴입는 긴
ピダニ|オスル|キョイッヌン キン
제방 위에 와 오르는, 어슴푸레한 달.
チェバン ウェエ|ワ オルヌン|オスムプリョハン タル
확실히 一刻이 千金인
ファッシリ|イルガギ|チョングミン
경치를 무엇에, 비유 할 수 있어?
キョンチルル|ムオセ|ピユハルスイッソ

コード進行は、至って簡単。
(一、二番)
G | C | G | D
G | C | D | G
G | C | Em Em7 | D
G | C | D | G

(三番) 
G | C | G | D
G | C | D | G
G | C | Em Em7 | D
G D | C A | D | G


2009年03月26日

『何日君再来』コード進行&試訳

名曲『何日君再来』〈ヘール(ジュ)ージュンツァイライ〉のコード進行を、ギター片手に拾ってみた。

『何日君再来』
作詞:晏如
作曲:團伊玖磨

G  C    G  D
好花不常開 好景不常在
G  D    C  D
愁堆解笑眉 涙洒相思帯
G  D    G  Em
今宵離別後 何日君再来
G       C
喝完了這杯 請進点小菜
G  D    G  D7
人生難得幾回酔 不歓更何待
G       Em
(台詞)来来来喝完了這杯再説罷
G  D    G  D G
今宵離別後 何日君再来

この曲は、昭和戦中に日中両方で大ヒットした、中国語曲。原曲には二番もあるが、日本で有名なのは「李香蘭」こと山口淑子が、戦後1952年に発表した、二番を永田恒雄氏が訳した一番の詞に変えたものである。

忘れられない あの面影よ
灯火揺れる この霧の中
二人並んで 寄り添いながら
囁きも微笑みも 楽しく融けあい
過ごしたあの日 ああ 愛しい君
何時又返る 何日君再来

戦前ヒットした中国語曲には、日本人のエキゾチズムを満足させ、かつ日本と中国との協調をうたった曲が多い。実際には大陸で日本軍は殺戮の限りを尽くしていた、最中であったのに。
この『何日君再来』は、そんな曲たちに比べて、まだ内容が穏やかだ。私はたとえ名曲であったとしてもそういった曲をギターで歌うことにためらいを持つが、この曲なら歌ってもよいと思った。テレサ・テンの持ち曲でもあった。

山口淑子が歌った日本語訳詞は、しかし創作訳ともいうべきもので、原曲と意味が相当にずれている。
試しに、より原曲に忠実な一番の訳詞を、この鈴元仁が試みる。

花咲き誇る 時は鮮(すくな)し
悲しみつのり 涙に変わる
今宵別れば 何日君再来(いつまた会える)?
でも楽しきは この宴
人生酔って生きたいが、叶うことなし
(語り)「さあ、その杯、空けて。もっともっと、語り明かそうよ!」
今宵別れば 何日君再来?

2009年03月28日

アイルランド民謡"The Recruiting Sergeant"の訳&コード進行

全然寝られなくて、しようがない。
だから、早朝に一曲訳してみた。
The Poguesもカバーしたアイルランド民謡、"The Recruiting Sergeant"。
コード進行は、英語サイトから拾った。

The Recruiting Sergeant
アイルランド民謡
訳詞:鈴元仁

Em
ダブリンの通りを
G     D
上機嫌で歩いたら
Em
徴兵係軍曹殿が
(G) (D)  Em
俺に声をかけたぞ
Em
「君、軍服が似合いそうだ
G       D
国王陛下のおんために
Em
フランダースで戦えよ
(G)  (D) Em
ちょっとした旅行だぞ?」

それで俺は言い返した
「軍曹殿、教えてくれ
軍服着て背嚢背負って
俺が楽しくいられるか?
規律、しごき、訓練、軍法
やってはじめて一兵卒
フランダースは温かくても
塹壕の中は日照りだぞ」

軍曹、俺の言葉聞いて
ニヤニヤ笑ってヒゲしごく
「塹壕の中は快適さ
土嚢で風も入らんぞ」
俺は通りをすれちがった
彼女にウィンクして
言った、「だったら軍曹殿
雪が降ったらどうなんだよ!

雨が降ろうが弾が降ろうが
俺はフランダースに行かないよ
ダブリンで戦うんだ
軍曹、あんたが行ってこい
イギリス人の戦争だろ
イギリス人に戦わせろ」
俺は軍曹に「グッナイ」って
あいさつして別れたぞ!

この歌詞の背景は、日本人にとってよく分からないだろう。
日本人にとって第一次世界大戦は、ただのひとごとであった。
しかし、ヨーロッパにおいては、天地をひっくり返すほどの、大戦争であった。
イギリス帝国は、ドイツの野望をくじくために、総力を挙げて大陸のフランダースから北部フランスにかけて、消耗戦を戦った。毒ガス、機関銃といった大量殺戮兵器が次々に戦場に投入されたにも関わらず、戦術そのものは古臭い塹壕戦であった。そのため寸土の土地を奪い合うために、何百万人の血が流された。
イギリス帝国の植民地もまた、正義の戦争の名のもとに、戦争協力に駆り出された。
イギリスの正義とは、世界の覇権を保持することが正義であって、世界中で原住民を隷従に置く体制を維持することが、正義の正体であった。
そしてチューダー王朝から始まりクロムウェルによる征服によって完成した、300年以上も続いたイギリスによるアイルランド支配を打ち破るチャンスが、第一次大戦によって巡ってきた。アイルランド独立派にとって、イギリスが戦争に忙殺されているのは、敵が見せた絶好の隙であった。
イギリスを背後から突き刺して、弱らせ、独立を勝ち取る。
そのために、彼らは過激なテロリズムも厭わなかった。
大戦最中の1916年に起こったイースター蜂起は、イギリス当局に対する、戦時下で最大の蜂起であった。
血なまぐさいテロと報復の応酬の果てに、1921年アイルランドは一応イギリスから分離独立した。しかし、イギリス残留を決意した北部アイルランドを巡る暴力紛争は、20世紀中ずっと引きずられていった。

本日6時間、カラオケボックスに一人こもって、持ち歌の弾き語りを特訓。
だが苦闘の結果、まだ許せる演奏の映像は、これだけ。
暗誦(そら)で歌えることと、弾き語りすることは、根本的に違うことをよくよく思い知った。
初心者の私は、心中にほんの少しの雑念があれば、指がばらんばらんになる。
この曲なんぞ恐ろしく簡単なコードなのに、何度繰り返してもちゃんと弾けない。
この演奏だって、中途で一回つまっているが、総合的に一番ましだと判断したから、YouTubeに発表した。
初心者の私は、これから演奏するときには歌詞カードを見て、そして歌詞の上に見やすいコード進行を記入するべし。
歌詞を覚えているとかいないとかの、次元でないのだ。
体がつまらずに、反射神経で動くかどうか。
それができないうちは、歌詞カードを見る方がよいのだ。
この曲の歌詞なんか、自分で作ったのに歌えない。そんなものなのだ。

で、もう一回、歌詞カードをきっちり作って、挑戦。

少しは、ポーグスのバージョンのノリに、近づいたかな?

2009年03月31日

『ステンカ・ラージン』演奏してみた、、、

歌詞カード作って、コード付けて、『ステンカ・ラージン』に挑戦。

うははは、恥ずかしい。
結局、G調にしてしまった。
F調は、難しくて押さえられない。
E調は、低すぎて声が響かない。私は、テノールなのだ。

下に、歌詞とコードあり。

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"The Lincolnshire Poacher"の訳&コード進行

また今日も、ぜんぜん眠れない。
そこで、また一曲訳してみることにした。
イギリス民謡、"The Lincolnshire Poacher"。


When I was bound apprentice in famous Lincolnshire
Full well I served my master for nigh on seven years
Till I took up to poaching as you shall quickly hear
Oh, 'tis my delight on a shiny night in the season of the year.

G         D         G D G
おいら有名どころリンカーンシャーの密猟人
G      D        G  D
丁稚勤め、こきつかわれ、七年間
G      D     G        D
そいで密猟始めたら、有名になっちった
G           D   A D G
ソラ、シーズン中の月夜は楽しいな

As me and my companions was setting out a snare
'Twas then we spied the gamekeeper, for him we didn't care
For we can wrestle and fight, my boys, and jump from anywhere
Oh, 'tis my delight on a shiny night in the season of the year.

おいら、仲間連れて罠かける密猟人
管理人の跡を付けた、それがどうした
ぐるっと囲んで、寄ってかかり、殴り飛ばした
ソラ シーズン中の月夜は楽しいな

As me and my companions was setting four or five
And taking them all up again, we caught a hare alive
We caught a hare alive, my boys, and through the woods did steer
Oh, 'tis my delight on a shiny night in the season of the year.

おいら、仲間連れて罠かける密猟人
四つ五つ罠かけて、もう一回試して
見事に捕まりましたがな、元気なウサギ
ソラ シーズン中の月夜は楽しいな

We threw him over my shoulder, boys, and then we trudged home
We took him to a neighbour's house and sold him for a crown
We sold him for a crown, my boys, but I divven't tell you where
Oh, 'tis my delight on a shiny night in the season of the year.

ウサギ持って、うきうきして、家に帰る
隣近所の家に行きゃ、銀貨に換わる
その家は、どこかって?そんなん言えるか
ソラ シーズン中の月夜は楽しいな

Success to every gentleman that lives in Lincolnshire
(Alt. Bad luck to every magistrate)
Success to every poacher that wants to sell a hare
Bad luck to every gamekeeper that will not sell his deer
Oh, 'tis my delight on a shiny night in the season of the year.

みんなおいでリンカーンシャーの、密猟に
(または「ご馳走さん、リンカーンシャーの、領主どの」でもいいかも?)
ウサギ売って儲けたい奴、しっかりやれよ
子鹿も売れない管理人、災難続きだな
ソラ シーズン中の月夜は楽しいな

いやあ、愉快だねえ。
イギリス民謡は、ふてぶてしい。
日本民謡と、えらい違いだ。民衆は、領主さまなんぞに、素直に従ってなどいない。イギリスの領主さまは巨大な猟場を一人じめして、庶民を立ち入らせない。己はキツネ狩りを悠々と楽しみ、下賎の者には所有権だとか自由主義だとか難解な法学用語を並べ立てて、門前払いする。彼らには警察もあるし、裁判所もある。正攻法でぶち当たれば、庶民の負けは、決まっている。
だから、密猟するのさ。"poacher"とは、密猟者のことだ。

この曲は、かつてキプロスのイギリス空軍基地から流されていた謎の乱数放送の開始に鳴らされるジングルとして、ごく一部の熱狂的乱数放送ファンに愛されていた曲であった。
乱数放送とは、無意味なアルファベットの配列を、放送するもの。聞いても、何がなんだかわからない。
これを解読するキーを持っている受信者だけが、知ることができるのだ。乱数放送は、理論的に最高の機密性を発信者と受信者の間で保持することができる。そのキーを盗まれたり、あるいは同一のキーを繰り返し使ったりしなければ。二回同じキーを使ってしまったら、プロの手にかかれば見破られる。実際、ソ連やキューバの乱数放送は、見破られた。
曲の内容が密猟だから、スパイ活動にふさわしい、というわけなのだろうか。イギリス軍も、なかなかにお茶目である。現在は、この放送は行われていない。乱数放送なんぞよりも、もっと機密性が高くて使いやすいシステムが、導入されたからであろう。

『花』韓国語バージョン

以前に韓国語訳した滝廉太郎の『花』を、ギター伴奏で歌ってみた。

2009年04月05日

『旅立ちの日に』替え歌:鈴元仁

夕映舎氏から教えてもらったのだが、この『旅立ちの日に』という曲は、現在の小中学校の卒業式で歌われる、ナンバーワンヒットソングだそうな。
夕映舎氏は、この曲の歌詞が嫌いだ、と言った。
一番は、まだ許せる。
これは、父兄や教師から、子供たちに贈る言葉と位置づければ、嘘っぽい言葉ではあるがまだ認められると言った。
しかし、二番は全く許せない、とも言った。
二番は、子供の気持ちを大人どもが推測して、作って放り投げてやったような内容だ、と彼は言った。
それでは、ペットを可愛がっているのと、同じ視線だ。
子供たちが、二番の歌詞のようなことを、思うわけがない。
そう言って、彼は不満を私に言った。

私は、全く同感である。
ゆえに、勝手に歌詞を変えて、替え歌を作った。

白い光の中に君は抱かれ往く
おめでとう、よく育ったね。僕は、祝いたい
限りなく青い空を 今日は見つめてごらん
青は涙の色だ どうして泣いているんだろう?

勇気を翼に込めて 君は 飛び立てるかい
美しい空は寒い すまない 頑張ってくれよ

今日は友達の声 思い出してごらん
苦しく悲しくても 君の宝になる
心通った嬉しさを 忘れてはだめだよ
みんな過ぎた後に 残る思い出さ

勇気を翼に込めて 君は 飛び立てるかい
勇気があれば飛んでみよう この地球はすばらしい

今別れの時 飛び出そう 君を信じる
はずむ 若い君を信じる
大空は 大空は 君のものだよ
いま 別れの時 この国は よくないかもしれないけれど
はずむ 若い 君を信じたい
大空と 世界中が 君を待っている

上は、夕映舎氏に私の改作を見せて、彼の意見を取り入れて一部を書き直したものだ。
夕映舎氏は、私の改作について、「大人から子供へ贈る歌を、子供をあくまでも突き放した距離から応援する内容になっている。首尾一貫していて、大変よい。」と言ってくれた。

原曲は、B♭調。
難しいので、ネットで拾った指示に従い、3フレットにカポタストを付ける。
カポタストなんて、初めて使った。
それでもFが難しいので、Dmで代用。
これは、良い曲だ。
私の、持ち歌の一つにしてやろう。

2009年04月07日

『旅立ちの日に』を、練習中

日曜日、カポタストをギターに装着して、夜、「吉水」の前の階段上で、私が歌詞を改作した『旅立ちの日に』を演奏してみた。

弾いて、夕映舎氏に聞かせた。
彼は聞いて、ううむと唸り、私に言った。
「今の今まで、お前は大変音階の幅が広い奴だと、思っていた、、、」
私は、自分でも歌がかなり上手いと、この時まで思い込んでいた。
自慢ではないが、私には絶対音感がある。
ギターの弦をポロン、と弾いた音を聞けば、それがGなのか、Fなのか、はたまたB♭なのか、分かる。
だから、私は歌がかなり上手いのだ、と、この時まで思い込んでいたのであった。
しかし、夕映舎氏は、言った。
「お前は、声に出して歌える音域が、相当に狭い。低音は声が出ず、高温は声がひっくり返る。今、お前に聞かせてもらった曲は、心に響かない。」
夕映舎氏は、私の替え歌バージョンで、自分で歌った。
きれいに、低音も高音も、通っていた。
このとき、いざ歌わせたら彼の方が私よりも上手いことを、長年の付き合いで始めて思い知った。
私は、歌がじつはあまり上手くないのだった、、、
夕映舎氏は、言った。
「お前、ブルース歌ってみろ。」
私は、正直言ってブルースが嫌いだ。
しかし、言われてみて、新井英一の『清河(チョンハー)への道』をもじって、即興で『慶尚道(キョンサンド)への道』をうなってみた。

日本の風が悲しいもので
私は、飛行機に乗っていた。
金海(キメ)に着くまで、1時間30分
サンドイッチ食う間もない、東京より近い
そう思って機内食見たら、チーズサンドだった
チーズ食えない俺だ、オイいきなり大凶かよ

夕映舎氏は、言った。
「お前は、ブルース声やで。お前は否定したいかも、しれんけどな。」

ダミ声向きだと、いうことなのか、、、
ううむ。
今の今まで、知らなかった。

しかし、自作の歌詞が歌えないのは、しゃくにさわる。
これまで『旅立ちの日』を弾く際には、原曲のB♭に合わせるために、私はカポタストを3フレットに着けていた。
こんなふうに。

guitar.jpg

それを、さらにずらして、4フレットに着けた。音階は、半音上がってBになる。
歌ってみた。
お!
いけるかも。
音域の狭い私にとって、カポタストはこれから必需品になりそうだ。

guitar%20001.jpg