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アイルランド民謡"The Recruiting Sergeant"の訳&コード進行

(カテゴリ:ギター特訓中...

全然寝られなくて、しようがない。
だから、早朝に一曲訳してみた。
The Poguesもカバーしたアイルランド民謡、"The Recruiting Sergeant"。
コード進行は、英語サイトから拾った。

The Recruiting Sergeant
アイルランド民謡
訳詞:鈴元仁

Em
ダブリンの通りを
G     D
上機嫌で歩いたら
Em
徴兵係軍曹殿が
(G) (D)  Em
俺に声をかけたぞ
Em
「君、軍服が似合いそうだ
G       D
国王陛下のおんために
Em
フランダースで戦えよ
(G)  (D) Em
ちょっとした旅行だぞ?」

それで俺は言い返した
「軍曹殿、教えてくれ
軍服着て背嚢背負って
俺が楽しくいられるか?
規律、しごき、訓練、軍法
やってはじめて一兵卒
フランダースは温かくても
塹壕の中は日照りだぞ」

軍曹、俺の言葉聞いて
ニヤニヤ笑ってヒゲしごく
「塹壕の中は快適さ
土嚢で風も入らんぞ」
俺は通りをすれちがった
彼女にウィンクして
言った、「だったら軍曹殿
雪が降ったらどうなんだよ!

雨が降ろうが弾が降ろうが
俺はフランダースに行かないよ
ダブリンで戦うんだ
軍曹、あんたが行ってこい
イギリス人の戦争だろ
イギリス人に戦わせろ」
俺は軍曹に「グッナイ」って
あいさつして別れたぞ!

この歌詞の背景は、日本人にとってよく分からないだろう。
日本人にとって第一次世界大戦は、ただのひとごとであった。
しかし、ヨーロッパにおいては、天地をひっくり返すほどの、大戦争であった。
イギリス帝国は、ドイツの野望をくじくために、総力を挙げて大陸のフランダースから北部フランスにかけて、消耗戦を戦った。毒ガス、機関銃といった大量殺戮兵器が次々に戦場に投入されたにも関わらず、戦術そのものは古臭い塹壕戦であった。そのため寸土の土地を奪い合うために、何百万人の血が流された。
イギリス帝国の植民地もまた、正義の戦争の名のもとに、戦争協力に駆り出された。
イギリスの正義とは、世界の覇権を保持することが正義であって、世界中で原住民を隷従に置く体制を維持することが、正義の正体であった。
そしてチューダー王朝から始まりクロムウェルによる征服によって完成した、300年以上も続いたイギリスによるアイルランド支配を打ち破るチャンスが、第一次大戦によって巡ってきた。アイルランド独立派にとって、イギリスが戦争に忙殺されているのは、敵が見せた絶好の隙であった。
イギリスを背後から突き刺して、弱らせ、独立を勝ち取る。
そのために、彼らは過激なテロリズムも厭わなかった。
大戦最中の1916年に起こったイースター蜂起は、イギリス当局に対する、戦時下で最大の蜂起であった。
血なまぐさいテロと報復の応酬の果てに、1921年アイルランドは一応イギリスから分離独立した。しかし、イギリス残留を決意した北部アイルランドを巡る暴力紛争は、20世紀中ずっと引きずられていった。

本日6時間、カラオケボックスに一人こもって、持ち歌の弾き語りを特訓。
だが苦闘の結果、まだ許せる演奏の映像は、これだけ。
暗誦(そら)で歌えることと、弾き語りすることは、根本的に違うことをよくよく思い知った。
初心者の私は、心中にほんの少しの雑念があれば、指がばらんばらんになる。
この曲なんぞ恐ろしく簡単なコードなのに、何度繰り返してもちゃんと弾けない。
この演奏だって、中途で一回つまっているが、総合的に一番ましだと判断したから、YouTubeに発表した。
初心者の私は、これから演奏するときには歌詞カードを見て、そして歌詞の上に見やすいコード進行を記入するべし。
歌詞を覚えているとかいないとかの、次元でないのだ。
体がつまらずに、反射神経で動くかどうか。
それができないうちは、歌詞カードを見る方がよいのだ。
この曲の歌詞なんか、自分で作ったのに歌えない。そんなものなのだ。

で、もう一回、歌詞カードをきっちり作って、挑戦。

少しは、ポーグスのバージョンのノリに、近づいたかな?