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ロシア民謡『ステンカ・ラージン』を補訳してみた

(カテゴリ:ギター特訓中...

久遠にとどろく
ヴォルガの流れ
目にこそ映えゆく
ステンカ・ラージンの舟

ペルシャの姫なり
燃えたる口と
うつつに華やぐ
宴が流る

ドン・コサックの群に
今わくそしり
奢れる姫なり
飢うるは我ら

そを聞きステンカ・ラージン
舳先に立ちて
姫をば抱き上げ
雄々しく告げぬ

ヴォルガ、ヴォルガ、母なる
我が魂(たま)が故郷(さと)
謹み差し上ぐ
野人(のびと)の花を

我らは頚木(くびき)を
打ち捨て立てる
自由の民なり
諍いぞ断たん!

これみよとステンカ・ラージン
姫をば差し上げ
さかまく波間に
投げておとしぬ

(語り)「ど阿呆!喜べ!踊ろうぜ!
さあ黙ってないで、兄弟!」
舟歌奏でよ
姫眠る河に

島影すぎゆく
ヴォルガの流れ
さみしや ステンカ・ラージン
眉根ぞかなし

この高名なロシア民謡の日本語訳詞は、これまた高名な与田準一氏の手になるものである。
与田氏の訳詞は創作訳とも言ってよいほどに自由な訳であり、原詞とはずいぶん違う。ドン・コサックのラージンへの謗りは、原詞では「奢れる姫」のためではない。むしろコサックたちが、「ラージンめは、嫁など娶って、すっかり女の腐った奴になりやがった」と、やっかみ半分で不満を述べているのだ。

私は、与田氏の訳詞に対して、原詞にある三つの聯を、追加して訳してみた。
なかなか劇的になって、グーだと思うのであるが。
語りの部分は、歌うときにも情感をたっぷり込めて、語らなければならない。

この曲のコード進行は、G調ならば、

G D D7 Em C Em7 D G

F調ならば、

F C C7 Dm B♭ Dm7 C F

となる。
G調の方がはるかに簡単であるが、私は試しに歌ってみたところ、キーが高い。それにG調では、明るい響きになってしまい、もの哀しさにやや欠ける。それで、1音階下げたF調で、練習することにした。バレーコード出まくりの、地獄のF調で。とうぜん、バレーコードなんざ、まともに押さえやしない。Fは五弦で、B♭は四弦だけ握って、ごまかす。これ、初心者の基本ね。

練習した後の、結果。
F調は、うまくいかない。肝心かなめのFの音が、省略コードの上に握りがヘタッピなために、きれいに出ない。この曲にぜひとも必要な、重厚な音が出ない。
そこで、さらに半音階、下げる。

E B B7 C#m A C#m B E

Bが、バレーコードで難しい。しかし、この曲はあまりギターがいらない。だから、EとA、それに悲哀を出すC#mがきれいに出れば、なんとかサマになりそうだ。これらの握りは、簡単だ。