久遠にとどろく ペルシャの姫なり ドン・コサックの群に そを聞きステンカ・ラージン |
ヴォルガ、ヴォルガ、母なる 我らは頚木(くびき)を これみよとステンカ・ラージン (語り)「ど阿呆!喜べ!踊ろうぜ! 島影すぎゆく |
この高名なロシア民謡の日本語訳詞は、これまた高名な与田準一氏の手になるものである。
与田氏の訳詞は創作訳とも言ってよいほどに自由な訳であり、原詞とはずいぶん違う。ドン・コサックのラージンへの謗りは、原詞では「奢れる姫」のためではない。むしろコサックたちが、「ラージンめは、嫁など娶って、すっかり女の腐った奴になりやがった」と、やっかみ半分で不満を述べているのだ。
私は、与田氏の訳詞に対して、原詞にある三つの聯を、追加して訳してみた。
なかなか劇的になって、グーだと思うのであるが。
語りの部分は、歌うときにも情感をたっぷり込めて、語らなければならない。
この曲のコード進行は、G調ならば、
G D D7 Em C Em7 D G
F調ならば、
F C C7 Dm B♭ Dm7 C F
となる。
G調の方がはるかに簡単であるが、私は試しに歌ってみたところ、キーが高い。それにG調では、明るい響きになってしまい、もの哀しさにやや欠ける。それで、1音階下げたF調で、練習することにした。バレーコード出まくりの、地獄のF調で。とうぜん、バレーコードなんざ、まともに押さえやしない。Fは五弦で、B♭は四弦だけ握って、ごまかす。これ、初心者の基本ね。
練習した後の、結果。
F調は、うまくいかない。肝心かなめのFの音が、省略コードの上に握りがヘタッピなために、きれいに出ない。この曲にぜひとも必要な、重厚な音が出ない。
そこで、さらに半音階、下げる。
E B B7 C#m A C#m B E
Bが、バレーコードで難しい。しかし、この曲はあまりギターがいらない。だから、EとA、それに悲哀を出すC#mがきれいに出れば、なんとかサマになりそうだ。これらの握りは、簡単だ。