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台北四十八時間 06/06/29PM05:00

(カテゴリ:台北四十八時間
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台湾名物、機車(単車)二人乗り - 体験篇



西門町・西寧南路のホテル「一楽園」に帰る。シャワーを浴びて着替えたら、すぐに出る。旅行でゴロゴロするのは、私の趣味ではない。生フルーツジュースを飲んだら、何だか元気も回復していた。

夕方の西門町に出た。台北の渋谷・・・いや、ひっかけ橋(大阪戎橋)程度だろう。何ぞ面白いものはないかと、通りの店をいろいろ見て回った。だが、やっぱり日本の影響は大きい。時々日本のソングが流れて来るし、プリクラやUFOキャッチャーが普通にある。「萬年百貨」という、ヲタ系のショップが集まったビルの中に入った。階の上はフロアごとフィギュア専門店が集まっていたりするのだが、日本の製品が日本語のパッケージのままで山積み。漢語を見つけることのほうが難しいぐらいだ。轉蛋(ガチャガチャ)も、全部もれなく日本のもの。ついでに日本雑誌の専門店までがある。これでは、日本人としてこの場に居続けることに意味がない。一回りしたら早々にビルを出た。

台湾にも「アニメイト」があった。漢語化せずに、英語でそのまま「animate」である。中の漫画売り場に入ってみた。やっぱり日本漫画が圧倒的だ。99%占めていると言っても、過言ではない。現地漫画はないのか?、、、、あった。一番下隅の、一番目立たないところに。ひどいじゃないか、もっと自国の作家を大事に扱ったらどうか?などと内心思ったりもした。

というわけで、ここは旅行者の大人買いというものを見せてやろう。台湾では非常に人気のある作家RIVERのコミックスを棚からゴソっと抜き取って、レジに持っていった。

そのときの領収書。民国年号は、11を足せば西暦になる。


レジのお姉さんが、直ちに日本語で応対してくれたのが面白かった。

ウェブ四コマ漫画家RIVERの代表作『OL蔡桃桂』(1巻、第2巻2006/08月発売予定)と『RIVER'S543』(1~6巻)だが、両方ともネット上でも読めるというのが大変嬉しい(タイトルをクリックするとサイトに飛びます。『RIVER'S543』は新しい作品だけ公開されている)。『OL蔡桃桂』は上班族(サラリーマン)コメディ。便當(弁当)買いに行ったり、聊天(雑談)したり、他社の若手と合コンしたり、会社のPCでオンラインゲームしたり、社員旅行の南の島で遭難したり、南米ギアナで戦車と戦ったりと、ほのぼとしたエピソード満載の良作である。実は私も紹介ページを作っていたりするので、詳しくはそちらをご覧下さい。漫画はもちろん漢語だが、日本人にもすぐ分かるネタがてんこもりなので、少し努力すれば雰囲気で読めるようになるのではないかな?『RIVER'S543』は、不思議犬の小白やおばはんの阿雀姨、塞網珈琲店(サイバーカフェ)の老闆娘(ママさん)などのメインキャラが、それぞれのエピソードを独立に続けていく形式。その中に時々単発ギャグの回がはさまれる。内容は『OL蔡桃桂』に比べて台湾本国の時事ネタや政治ネタなどが多く、こちらは外国人が読み解くのはかなり難しい。私も買った単行本をちょくちょく読んでいるが、わからないネタが時々ある。とにかくこのRIVERや同じくYahoo!台湾で『毛球寶兒』を連載しているmickeymanなど、日本製のコミックに圧倒されがちな中で気を吐いている気鋭の台湾発クリエイターたちなのだ。このブログの中でも、私は『OL蔡桃桂』と『毛球寶兒』を毎回紹介しています(『毛球寶兒』はいちおう作者さんの了承を受けて、日本語訳も置いています)。加油(がんばれ)!



さて、西門町から少し東に行って、中正区に入った。総統府や各種官庁のある中正区が、台湾の政治の中心部である。もと艋舺と呼ばれた萬華区と大稻埕のある大同区が、台北で最も早くから開けた地区であった。しかし台湾を領有した日本は、旧市街の東側に台湾総督府を置いて、そこに官僚たちの居住区を設定した。これより現在の中正区近辺が、政治的首都として整備されるようになったのである。したがって中正区には、日本人の住んでいた日本式住宅が、今もいくぶんか残っている。次の日に足を運んだ牯嶺街(クーリンジェ)について書く際に、詳しく述べることとする。

「桃源街(タオユァンジェ)にうまい牛肉麺の店がある」と、旅行前に聞いた。せっかくだから、行ってみようと思った。ところが行ってみると、桃源街あたりは国防部などがある官庁街である。本当にあるのだろうか?


この写真のためだけに、何回も横断歩道を行ったり来たりした。

この写真は、(たぶん)ちょっと珍しい。桃源街と長沙街(チャンシャージェ)との交差点の横断歩道から撮った、裏側の総統府である。青信号で渡る最中に、何度か立ち止まって撮影した。

この建物は、言うまでもなく旧台湾総督府。

よい子は絶対マネしないようにしよう!


よい子でない私だから、見つからないのであろうか?何度か往復して、途方に暮れてしまった。南にある大通り、愛国西路にあるMRT(地下鉄)小南門駅にまで出てしまった。これはもう、人に聞くしかない。そういうわけで、停めてあった原付に乗って帰ろうとしていたお兄ちゃんに近づいて、再びインチキ漢語で私は問いかけた、

「麻煩!、、、請幇我、是不是你知道哪裡

そのとき使ったメモ。?」(漢語中級篇)


こう言うと、そのお兄ちゃんは、私に

「日本人ですか?」(日本語入門篇)


と尋ねてきた。私が「そうです」と答えると、サドルからヘルメットを出して私に渡し、「近い。行きましょう!」と言ってくれたのだった!台湾名物「機車」(単車の台湾ローカルな言い方)の二人乗りを、お兄ちゃんは私に体験させてくれたのであった。

二人で単車に乗って、わずか三分もたたないうちに着いた。結局私は桃源街の入り口から入らず、一つ南の交差点から探し始めていたのだ。目当ての店は、通りの入り口の附近にあった。ほんのちょっと北に行けばよかったのに、何を勘違いしたかずんずん南ばかり探していたのだ。

伝統ある店だと聞く。

店に着いた。私は日本語で「どうもありがとうございました!」と言って頭を下げた。日本語を少しでも学んでいる彼に対しては、このほうが礼儀として良いだろうと思って。正直言ってちょっと怖かったが、台湾名物を実地に体験させてもらいました。阿哥、真的謝謝、謝謝!


メニューの数は少ない。

ということで、これが名物牛肉麺。感想は、スープがうまい。上に乗っている牛肉は、この一杯全体の味わいに対して、ほとんど付け足しのようなものだ。私としてはむしろ、牛肉の代りにモヤシなんかの野菜が乗っていたほうが、より味わい深く頂けるような気がした。しかしそれよりも、その前に頂いた台湾名物の体験のほうが、吃飽的(お腹いっぱい)でしたよ。


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