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London Bridge Is Falling Down - ロンドン橋落ちた(童謡)

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@Wiki本記事@

「ロンドン橋落ちた」"London Bridge is falling down"は、有名なトラディショナル・ナーサリー・ライム(伝統的な童謡)である。

そのメインの連(れん)は、以下のとおり。

London Bridge is falling down,
Falling down, Falling down.
London Bridge is falling down,
My fair lady.
ロンドン橋、落ちた
落ちた、落ちた
ロンドン橋、落ちた
マイ・フェア・レイディー。

この歌詞は、しばしば子供の歌付きゲームに使われる。それにはいろいろはバラエティーの形があって、歌詞が追加される。いちばんよく見られるのは、二人のプレイヤーがアーチを作って、他のプレイヤーたちが一列に並んでその下をくぐり抜ける。どこかの点でアーチを降ろして、一人のプレイヤーを「つかまえる」のである。


「ロンドン橋」は、誰でも知っている、おなじみの童謡。こういったわかりやすいソングは、子供の格好の替え歌の対象になったりするものだ。フォスターの「草競馬」のメロディーで、♪でっかいゴリラが来たぞー、キター、キター♪とか、「ボギー大佐(クワイ川マーチ)」のメロディーで、♪サル、ゴリラ、チンパンジー♪とか(なんで子供はサルとかゴリラが好きなのだろう?)。そしてこの「ロンドン橋」にも替え歌があることはあるのだが、あまりにも卑猥なのでここで書けません。元ネタは、志村けんが『8時だよ!全員集合』で歌っていたやつだ。ただし関西だったから東京と卑猥語が違ったので、インパクトが小さくてあまり流行らなかった(気がする)な。

歴史

この童謡について最も早く言及された例は、1659年の劇に見ることができる。そして1720年までには、この歌が子供たちに連関づけられて記録されるようになった。最も早い知られているテキストはもう少し後のものであって、『トミー・サムのかわいいソングブック』(Tommy Thumb's Pretty Song Book、1744年ごろ)に現れる。しかしながら、この歌がその時点までにすでに広く定着していた可能性はありうる。

この童謡には、もっと相当に古い先行者があったのかもしれない。1013年、ロンドン橋はエセルレッド王(エセルレッド2世「無思慮王」)と彼の同盟者のノルウェー王オラーフ・ハラルドソン(オラーフ2世)の手によって、デンマーク王スヴェン・ハラルドソン(スヴェン1世)の侵略軍を分断する目的で焼き落とされた。この事件は、スノリ・ストゥールルソンの手で1225年ごろに書かれた『ハイムスクリングラ』(Heimskringla、神話時代から書き起こされた、ノルウェー歴代諸王のサーガ集)の一部である『オラーフ・ハラルドソンのサーガ』の中に記録された。ストゥールルソンは、そこでノルウェー人詩人のオッタル・スヴァルテによる物語詩の抜粋を引用しているのだが、そこには童謡の一部と酷似している以下のようなくだりが含まれているのである。

ロンドン橋は、落ちた
黄金は、かくかくたる栄誉を勝ち取り、、、(以下略)

しかしながら、親しまれているバージョンは、おそらく1269年のものが起源である。この年、ヘンリー3世はエリナー・オブ・プロヴァンス王妃(Eleanor of Provence)に通行課税権tolling rightsを与えた。彼女は、税によって作られた基金を実際には施設の維持に使わなかったので有名な、「フェア・レイディー」(高貴なご夫人)なのである。

書かれているとおり、あまり日本では知られていないが、この歌には続きがあって、その内容はロンドン橋の再建のための「マイ・フェア・レイディー」との問答になっているのである。一説には、後で書かれているようにちょっと恐ろしい古いしきたりが歌詞の中に含まれているという。

歌詞

(いくつかのバージョンがあるが、)オリジナルの歌詞は以下のとおりである。

London Bridge is falling down,
Falling down, Falling down.
London Bridge is falling down,
My fair lady.
♪ロンドン橋、落ちた、落ちた、落ちた
ロンドン橋、落ちた
マイ・フェア・レイディー。
Take a key and lock her up,
Lock her up, Lock her up.
Take a key and lock her up,
My fair lady.
♪あの娘を鍵で、閉じ込めろ、閉じ込めろ
あの娘を、閉じ込めろ
マイ・フェア・レイディー。
How will we build it up,
Build it up, Build it up?
How will we build it up,
My fair lady?
♪どうやって建てよ、建てよ、建てよ?
どうやって建てよ?
マイ・フェア・レイディー。
Build it up with silver and gold,
Silver and gold, Silver and gold.
Build it up with silver and gold,
My fair lady.
♪金と銀で建てろ、建てろ、建てろ
金と銀で建てろ
マイ・フェア・レイディー。
Gold and silver I have none,
I have none, I have none.
Gold and silver I have none,
My fair lady.
♪金も銀もないよ、ないよ、ないよ
金も銀もないよ
マイ・フェア・レイディー。
Build it up with needles and pins,
Needles and pins, Needles and pins.
Build it up with needles and pins,
My fair lady.
♪針とピンで建てろ、建てろ、建てろ
針とピンで建てろ
マイ・フェア・レイディー。
Pins and needles bend and break,
Bend and break, Bend and break.
Pins and needles bend and break,
My fair lady.
♪針とピンは弱い、曲がって、折れる
曲がって、折れる
マイ・フェア・レイディー。
Build it up with wood and clay,
Wood and clay, Wood and clay.
Build it up with wood and clay,
My fair lady.
♪土と木で建てろ、建てろ、建てろ
土と木で建てろ
マイ・フェア・レイディー。
Wood and clay will wash away,
Wash away, Wash away.
Wood and clay will wash away,
My fair lady.
♪土と木も弱い、流れて、落ちる
流れて、落ちる
マイ・フェア・レイディー。
Build it up with stone so strong,
Stone so strong, Stone so strong.
Build it up with stone so strong,
My fair lady.
♪強い石で建てろ、建てろ、建てろ
強い石で建てろ
マイ・フェア・レイディー。
Stone so strong will last so long,
Last so long, Last so long.
Stone so strong will last so long,
My fair lady.
♪強い石なら、長持ち、するよ
長持ちするよ
マイ・フェア・レイディー。


別バージョンの歌詞

London Bridge is falling down,
Falling down, Falling down.
London Bridge is falling down,
My fair lady.
♪ロンドン橋、落ちた、落ちた、落ちた
ロンドン橋、落ちた
マイ・フェア・レイディー。
We must build it up again,
Up again, Up again.
We must build it up again,
My fair lady.
♪も一度建てよう、建てよう、建てよう
も一度建てよう
マイ・フェア・レイディー。
Build it up with iron and steel,
Iron and steel, Iron and steel.
Build it up with iron and steel,
My fair lady.
♪鉄の橋建てろ、建てろ、建てろ
鉄の橋建てろ
マイ・フェア・レイディー。
Iron and steel will bend and bow,
Bend and bow, bend and bow.
Iron and steel will bend and bow,
My fair lady.
♪鉄で造れば、曲がって、落ちる
鉄は曲がるぞ
マイ・フェア・レイディー。
Silver and gold will be stolen away,
Stolen away, Stolen away.
Silver and gold will be stolen away,
My fair lady.
♪金と銀で造りゃ、ドロボウが、盗るぞ
ドロボウが、盗るぞ
マイ・フェア・レイディー。
Set a man to watch all night,
Watch all night, watch all night,
Set a man to watch all night,
My fair lady.
♪見張りを立てろ、夜通し、立てろ
見張りを、立てろ
マイ・フェア・レイディー。
Suppose the man should fall asleep,
Fall asleep, fall asleep,
Suppose the man should fall asleep?
My fair lady.
♪心配なのは、見張りが、寝るぞ
見張りが、寝るぞ
マイ・フェア・レイディー。
Give him a pipe to smoke all night,
Smoke all night, smoke all night,
Give him a pipe to smoke all night,
My fair lady.
♪タバコをふかし、夜通し、起きろ
タバコで、起きろ
マイ・フェア・レイディー。

歌詞の意味

この歌詞の意味は、よくわからない。いちばんはっきりしていることは、これはテムズ川に橋を架けるために経た多大な苦労と、関係しているのであろう。ロンドンの初期の橋は「強い石」で作られた橋が建設されるまでは、実際に「流れて落ちた」。また、「フェア・レイディー」を「閉じ込め」るというくだりは、橋の強度を魔術的な方法によって高めるために、橋の基礎に死んだ処女を埋めるという古いしきたりに言及していると指摘されている。もっとも、「マイ・フェア・レイディー」とはエリナー・オブ・プロヴァンス王妃について言及しているのだという方がありえる話であるが。面白いことに、この歌詞はイングランドに限定されず、他の多くの西ヨーロッパ・中央ヨーロッパ諸国においてもバリエーションが存在するのである。