祇園・建仁寺境内の柵で囲った池の水面を埋め尽くしていたホテイアオイが、花を咲かせ始めた。うす紫色の、美しい花である。英語名で「水上のヒヤシンス」Water Hiacynthと呼ばれるのも、ゆえなきことではない。
ホテイアオイは繁殖力が強くて、少しでも株が冬を越すことができたら、翌夏には大量に増殖する。写真のように、池の水面が見えなくなるほどの大繁殖だ。だから事情のわかっている人々には嫌われていて、所によっては駆除の対象である。他の害虫・害魚・害草に比べて救いがあるのはこうして夏に美しい花を咲かせて、慎重に管理すれば光景を楽しむことができることだ。この建仁寺の池のホテイアオイは、一つ咲き始めたと思ったら、たった一日でずんずん花が開いていった。