永観堂から銀閣寺にかけて、鹿ケ谷通りの東に掘られた琵琶湖疏水のほとりが、人の言う「哲学の道」である。京大教授の西田幾多郎が好んで散策したという道だ。人口の水路であることは、このようにざっくりと山の岩盤が削られている跡があることからも、うかがえる。
その哲学の道は、かくも有名な花の道である。
どんなに歩いて入っても、花の山だ。
凡庸な発想であるが、山頭火の「分け入っても、分け入っても、、、」の句が思いついてしまう。
沿道には、山吹の花も咲きこぼれていた。
今の季節にふさわしい、暖色の花だ。
すでに私の心は、次の季節の桐や藤の花の見ごろすら待ち望んでいる。