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春の限り - 東山

(カテゴリ:半徑半里圖會

今日は夏日になったかと思いきや、後で調べればまだ三〇度に届いていなかった。
だが、もう春も終わりである。すでに、日の光は暑さを感じさせる。

まだ長ふなる日に春の限りかな(安永五・三・十五)
けふのみの春をあるひて仕舞(しまい)けり(明和六・三・十〇)


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蕪村の句に従って東山に入れば、ここもまた新緑。<br> 木立に鶯の鳴き声が、かんかんとこだましていた。


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著莪(しゃが)の花は、春山に珍しくない。うす紫に黄色を交えた鮮やかな花は、遠くからでも目立つ。


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歯朶(しだ)の葉が、巻いて伸び始めていた。多湿な日本では、シダ植物は山中にいくらでも自然に生えてくる。こうして巻く若葉は、蕨(わらび)や薇(ぜんまい)と同じくシダ植物の特徴である。


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山の上には、蔓藤の花がそちこちに咲いていた。王朝の頃と変わらぬ、日本の低山の古層をとどめる淡い色づかいであった。こうして、春は終わっていく。