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冬近し - 京都美術館前

(カテゴリ:半徑半里圖會

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今日は立冬。東日本では大風が吹いて、京都でも昼間にも関わらず一気に冷え込んだ。一時的な寒さだとは思うが、暦にぴたりと会った肌寒い秋空の日であった。京都美術館前の街路樹は急速に色づいて、後は枯葉を散らすばかりだ。



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晩秋の午後は、光と影が濃い。この平安神宮や京都市美術館・国立近代美術館が集まる岡崎かいわいは、京都市中でも珍しく西洋的なすっきりとした街区と、敷地にゆとりを持った建築で占められている。


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元は院政時代に「六勝寺」(ろくしょうじ)という上皇たちが建立した私的な大寺院が集まっていたところである。摂関政治が地方の豪族の台頭の前にゆらいだ時期に、パワーバランスの空隙を突いて一時的にこの国の皇帝が実権を握った時代であった。皇帝たちはついにこの国の主権者であることを再び思い出して、それにふさわしい専横を振るう快楽を取り戻した。そんな時代に建てられた、ささやかなぜいたくによる寺院だった。だが、日本は大陸中国とは違って、そのような権力のあり方は長く許されなかった。結局、それらの寺院は誰も復興する者も現れずに全て廃絶した。そこが明治時代になって、計画的に造営がなされた地区である。ここからも東山の穏やかな山並みが、よく見える。