比薩←漫畫(まんが)ページへ
これは面白い。何が面白いかと言うと、今回のギャグはハイブロウであるが、日本語では通用しない。というのは、食べ物の"pizza"とイタリアの都市名の"pisa"は、漢語では等しく「比薩」と書かれる。しかし、日本語では前者は「ピザ」であって、後者は「ピサ」だからだ。外来語のザ行とサ行は、漢語では同一視される傾向にあるのかもしれない(例:スイス=瑞士、スエズ=蘇伊士)。しかし食べ物の方の本来の読み方は、あえてカタカナで表記すれば「ピッツァ」だ。どこからこの日本語の読み方が出たのだろう?単にローマ字を棒読みしただけか?
(、、、と思ったら、日本語版ウィキペディアに一応の説明があった。やはり、初めて日本に紹介されたときに「ツァ」の表記がまだ存在しなかったために、あえて「ザ」と読んだということだ。ところがその日本語の変化させた読みが、漢語の読み(あえてカタカナで書けば、「ピィサァ」)とも対応している。漢語も「ツァ」は表記できないということか。ちなみに「フィレンツェ」「ヴェネツィア」の漢語表記は「佛羅倫薩」(フルォルンサァ)「威尼斯」(ウェィニィスィ)でそれぞれ英語の言い方を採用している。)
ピサはダンテ(但丁)の時代にはイタリアの強国の一つ。かつて西海岸の雄であったが、ジェノバとの戦いに破れて覇権を失った。今は斜塔で有名なだけの小都市だが、かつては大艦隊を繰り出してアラブやジェノバと戦い、ダンテの生きた十三世紀に凋落するまではティレニア海の女王というべき存在であった。この頃の戦国イタリアの歴史は、まことに面白い。
昔に比べて何となく丸っこくなったRIVERの絵だが、蔡桃桂は相変わらずいいね。艾玉冰は久々のご登場。