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水神 - 白川

(カテゴリ:半徑半里圖會

今日は、旧暦の端午の節句。中国文化圏では、詩人の屈原の霊を祭るための日として祝われる。屈原は戦国楚国の貴族であったが、王にその献策が容れられず疎まれ、多くの憂憤の賦(ふ)を書いた。やがて楚は秦に敗れて王は捕われ、彼はついに政治に絶望して汨羅(べきら)の淵に身を投げて死んだという。端午の節句は、川に沈んだ屈原の霊を慰めるために、水上での祭りが行なわれる。彼の故国の楚は長江流域で、日本と同じ季節に梅雨前線の影響を受けて雨が降る。屈原の祭りは水の祭りであり、雨の祭りでもある。


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さて、しかしながら今年の日本の梅雨は、どこに行ったのであろうか。紫陽花の花はいたるところで花盛りであるが、雨は時々季節を思い出したようにしか降ることがない。これからようやく梅雨も本格化するであろうという天気予報はあるものの、もし予想が外れれば今夏は水不足だ。台風も困るが、水不足も頭の痛い話だ。
祇園・白川沿いも、紫陽花やガクアジサイの花盛り。紫陽花の花が観賞されるようになったのは実に明治以降のことであって、それ以前は厠(かわや)のそばの花として忌み嫌われていた歴史があった。彩りの少ない梅雨時を飾る水色の花は、今や押しも押されぬ六月の花。