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Korea!2002/02/22~エピローグその一

(カテゴリ:韓国旅行記

雨の振る、朝。
ホテルのキムさんに挨拶をして、空港に向かう。
翌週の韓国は、天気が悪かった。私に韓国をしっかり見て来い、と何ものかが一週間の好天を、特別に用意してくれたかのようであった。

空港まで行くのには、地下鉄「亀浦」駅で降りてから市内バスを使ったが、この市内バスにも金海空港国際線ゲート前に到着した時の、英語アナウンスがなかった。他にスーツケースの乗客がいっぱい降りたから迷いはしなかったものの、これではだめだぞ。今回の旅行の最終日に、この国に言い残したい言葉が、心の中に浮かんだ。

飛行機は、あっという間に、関西空港まで飛んでいく。
KTXで釜山からソウルに行くよりも、ずっと時間が短い。

昼に、関西空港に着いた。
わが祖国の現状は、どうであろうか。


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-どうして、

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-これが、異常であることが、わからないのか!

国際空港の駅に、どうして英語表記がこんなにも、こんなにも、少ないのか!
外国人は、決まったターミナルにだけ行けばよいと、言いたいのか!
じゃあターミナルで待つ日本のバスやタクシーは、英語や漢語や韓国語が、どれだけ通じるというのか!
同じ、病気だ。
韓国と、全く同じ病気に、日本はかかっていた。深く、深く。
私は、現在の日本の停滞の原因を、今はっきりと理解した。

南海電車に、乗る。
駅名案内図は、さきほどのクソJR西日本のものよりは、まだ不十分ながらも、英語表記が揃っていた。
急行電車に、乗る。
車内では、車掌が乗り換え、先発待ちの説明を、微に入り細をうがつように、伝える。
日本語、だけで。
日本人に対して、日本人に対してだけ、シャワーのようなサービスを浴びせ掛ける。それが、日本の会社だ。
車掌はいい気になって(悪いが、今日は仕事にがんばっていると、彼を評価してやらない)、名調子でアナウンスを行なう。英語は、どうせ一言もしゃべれないに、違いない。英語のアナウンスは、国際空港から帰る急行であるにも関わらず、ない。
-本日も、南海電車をご利用いただきまして、ありがとうございました、、、
金を払って、サービスを受けているのだ。
今さらあいさつなど、いらん。
-扉が閉まります。ご注意ください、、、
大きな、お世話だ。
どこの世界に、扉を開けっ放しにして発車する、電車があるか。人をなめるにも、大概にしろ。
こんな車掌のアナウンス、要らない。
おせっかいな注意は論外としても、乗り換えの指示なんぞ、乗客が事前に調べておけばよいのだ。もし急行に乗り損ねたところで、一日も遅れるわけではなかろう。せいぜい、10分程度遅れるだけだ。それは、不注意による自業自得の範囲内だ。
そんなことよりも、自動放送で、次に停まる駅のアナウンスを、各国語で流せ。
どうせ各国語ができない車掌は、黙ってろ。マイクを、持つな。
しかし、そんなことをしたならば、どこかから必ず「サービスが足りない」だの、「温かさが消えた」だのといった、情緒的な批判が飛び出して来る。
そんな、日本人たちよ。
君たちは、世界に向けて、非常識であるというメッセージを、発しているのだぞ。

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大阪の街は、釜山よりもずっと煤けて見えた。
徳川時代初期から昭和戦前まで、三百余年間も繁栄を謳歌し続けて来たこの街は、現在衰退の途上にある。
かつては文化の香り高い都市であったが、今や吉本ぐらいしかない。その吉本も、事実上の拠点は、東京に移ってしまっている。
この街には、私の好きな食い物屋も多いだけに、街の疲れた姿が、痛々しい。

市営地下鉄に、乗る。
車内の、路線図。

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-なぜローマ字でなくて、ひらがななのか!

日本の識字率は、もう100%ではないか。
漢字が読めない日本人が、いまだにいるとでも、思っているのであろうか。
昔、まだ識字率が高くなかった時代に、サービスのためにこんな標記を作ったのであろうが、いまだに、いまだに、続けている。
何も、考えていない証拠だ。
真に漢字が読めず、ひらがなすら読めない、日本以外の民族のことが、頭から見事に抜け落ちている。
腐っている。
ここまで、腐っているのか。
梅田駅で降りて、自らの身を怒りに包みながら、阪急電車に乗り換える。
この電車は、関西で最もファッショナブルな電車であると、思っていた。
だが!
私は、梅田駅の、自動券売機の液晶画面を見た。
英語が、ない。
あの銀行と、同じであった。
その隣にも、隣にも、そのまた隣にも、英語で操作できるボタンが、なかった。
私は、改札横のインフォメーションセンターに、つかつかと歩み寄った。
私は、わざとカタコトの日本語で、駅員に言った。
「券売機、English、ないの?」
私は、券売機の方向を指差して、聞いた。
応対した駅員は、善良そうだ。
その彼が、言った。
「申し訳ございません。ございません。」
私は実は日本人だから、彼の丁寧さを、許さない。
私は、叫んだ。
「ないの!ハッ!」
私は、肩をすくめて言葉を吐き捨て、怒る足で立ち去った。
この会社は、ファッションだけで洋風に見せかけている、会社であった。
ファッションで見せる洋風は、日本人にしか通じない、にせ国際化である。
日本人は、韓国人よりも、ずっとずっと薄情者だ。
もし外国人が日本で迷ったならば、きっと悪い印象を持って、帰るであろう。それが積もり積もって、日本は通り過ぎられる列島となるに、違いない。
私は、このままでは十年のうちに、日本は「かつて」と歴史書で呼ばれる国となる、と確信した。
かつて、一時代を築いた国。
今や、見るべきものは、変な文化と、ヲタクとかいう変態だけがうじゃうじゃいるだけの、変な国。
もう、そう評価され始めている。
戻った春の京都は梅の花の盛りであったが、花の美しさは私を喜ばせてくれなかった。

コメント (2)

ぷさんのたかし:

안녕하십니까?
鈴元仁さんや他の皆さん達から教えていただいたおかげで、ハングル文字が入力できました。
私は釜山に暮らして7年目ですが、喋ったり、聞いたりは、日常生活に困りませんが、書くのは自信がありません。これから練習します。
韓国メモは、まだ全部を読んでいません。釜山で地下鉄に乗られて気がつかれたでしょうが、ホームや車内の案内が韓国語、英語、日本語、中国語でしています。でも、案内板はまだですね。
私は、日本へ帰国するときは釜山から高速船で行きます。福岡県博多港に到着して、JR博多駅まで市内バスに乗ります。ターミナルから出るバスだけと思いますが、韓国語の案内が少しありました。
でも、鈴元仁さんがおっしゃる通り、日本の公共機関は外国人に優しくないかもね。

SuzumotoJin:

부산노타카시님,방문 감사합니다.
釜山地下鉄の日本語と漢語は、私も気づいておりますよ。(私は、中国語と呼ばずに漢語と呼ぶことにしています。この言葉は、中国という語で連想する大陸の国だけが用いている言葉では、ないからです。)
釜山から博多ならば、高速船を使えばすぐでしょうね。私は、旅行中船に乗り損ねました。乗りたかったんですけれど。
韓国で食べたコンビニのカレーは、確かにカレーの味がしました。だから、韓国人には日本のカレーが、たぶん分かるのでしょうね。
ぷさんのたかしさんの店のカレーを、次に釜山に行ったときには、必ず食べたいと思います。
ただ、激辛はちょっと苦手です。
正直言って-

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