私も、何かお返しをしなければ、ならない。
私は、本日二度目に、俳句を詠むことにした。
ノートを開いて、一考。
夜の道を、バスが真っ直ぐに通る。外は、真っ暗であった。
椿恋し
韓日(ハニル)の道に
花を敷け親愛なるPark君へ 2009.2.21
わざと、難しい漢字を多用した。
漢字は、日本の言葉だからだ。読めなければ、日本が分からない。
パク君ならば、きっとこの句の漢字を読むことを、試みてくれるであろう。
私はそう思って、影島で見た椿の花を思い出して、句を読んだ。
パク君からも、別れのあいさつ文をもらった。
今、訳している最中だが、まだ十分に解読できないでいる。
お金で買ったものではなく、ただ一本のペンで書いたちょっとした文章が、心のこもった交流となるものだ。
パク君は、ご両親の住まう馬山で、バスを降りていった。
釜山に着いたのは、午後十時。
いやー、よく帰ってこれたなあ。
夜の沙上のバスターミナルが、愛しく思えた。
このコンビニのATMで、クレジットカードを使い、明日までの資金を引き出した。
この店が一番数が多くて、そして信用できる。
チャガルチに戻ったのはもう夜遅かったが、店はまだ開いている。
高さんの言葉を確かめるために、目に着いた店に飛び込んだ。
店のおばさんの対応は、ぶっきらぼうなものであった。
メニューの間に、料理の写真が飾られていた。
「イゴスン?」
単に日本的に「これは?」と直訳で聞いただけであるが、完全に通じる。韓国語は、日本語の直訳が通じる言葉なのだ。英語と漢語では、直訳が通じない。
おばさんは、私の問いに、一言だけ答えた。
「カルクッス。」
カルクッスを、頼んだ。
今回の旅行のとどめに、うまかった。
カルクッスとは、要するに細うどんのこと。
エビとアサリの入った、海鮮スープが絶妙の味わいを、出していた。
疲れ切った空きっ腹に、一気に流し込んだ。