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Korea!2009/02/21その八

(カテゴリ:韓国旅行記

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バスが、着いた。
アッハハハハハ。
巨済島(コジェド)に、来ちった。
もともと、行こうと思っていたところだ。こりゃ、いいや。
李舜臣将軍とは、今回縁がなかったと思って、あきらめよう。
酒が入って、いちじるしく判断力が鈍っている、この時の私であった。

低い山並み。風が強い。海は、見えない。巨済島は、非常に大きな島だ。
釜山でも慶州でも見かけた、白黒の鳥が山に向けて飛んでいった。
チェさんが、鳥の名前を教えてくれた。
-カチ。
かささぎ。別名、カチガラス。韓国の、国鳥であった。
「あの山、馬のサドルのようだな。」
二つのきれいな双対を為した低い山の間が、峠となっていた。植生は、韓国の山にしては、豊かであった。
「馬を走らせるとき、韓国語では『イリャ(이랴)!』というんだ。日本語では、何だい?』
私は、ちょっと迷ってから、
「『ハイヨー!』ですな。」
と、答えた。
「はは、ハイヨー!ハイヨー!イリャ!イリャ!」
チェさんは、馬に鞭を食らわすポーズをする。愉快な人だ。
「しかし、、、あのサドルの、豊饒さ。」
チェさんは、話題をずらして、山の峠の部分を指差した。
「両側が、足で。そしてあそこには、あれがある。分かるか、、、こっちに、こっちに。」
彼は、私に耳を近づけて、囁いた。
「――――!」
このブログは、成人指定でないので、書きません。
だいたい、わかるだろ。
「アッハハハハ!」
私は、チェさんの背中を、ばんばんと叩いた。
チェさんは、私に囁き続けた。
「女はな、secretでない。何も、secretでない。君も、トライするんだ。女は、待っているのさ。君に、今日の言葉を授けよう―」
彼は、私に囁いた。
「ウェット。」
私は、酒が残っていて、笑いながら聞いていた。
「女は、雨が好きだ。なぜか?濡れるのを、待っているのさ。君も、トライするんだ、、、ウェットだ。」
チェさんは、私をはげまして(?)くれた。
晴れ男の、私だ。
正直言って、自信がない。
だが、そのお言葉、今日は愉快に、受け取ります。
そう言えば、チェさんの姓をどう書くのか、聞いていなかった。
聞けば、
「こうだ。」
と、書いてくれた。
私は、首をかしげた。
「はじめて、見る字です。」
「やまかんむり」の下に、左に「にんべん」を置いて、右に「主」の字にもう一本横線を加える。
「崔」の字であるようで、あるようでない。
韓国の姓に、このような字があるのだろうか。
「韓国の五大姓は、キム、イ(リ)、パク、チェ、チョンだ。書けるか?」
私は、金、李、朴、崔までは、すぐに書けた。
だが、チョンがわからなかった。
しばらく考えた後で、「鄭」の字を、思い出した。
「そうだ!」
チェさんが、破顔した。
後で調べてみたのであるが、やはりチェさんが書いてくれた字は、韓国の姓にない。韓国人の姓は、中国人以上に少ない。
もしかしたら、異体字なのであろうか。
「君の俳句を、くれないか。君が、作ったやつだ。」
チェさんは、私にペンを渡す。
私は、これまで歌を、作ったことがない。
だが、試してみた。
午後遅くの風が、ようやく冷たかった。

冬の日に
巨済(コジェ)を風切る
二人連れ

最初、巨済を日本の地名の「巨勢」と、間違って書いてしまった。七の句に固い響きを連ねて、今日のこの島での出会った空気を表そうとした。ま、駄作だね。
チェさんは、私の発音に応じて、ひらがなにハングルを打った。
「ありがとう。大事にするよ。」
チェさんは、私の書いたノートの一枚を、大事に折りたたんでカバンに入れた。