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ブログを引越しいたします。

(カテゴリ:ブログ作るぞ!

思い起こせば2006年夏の台湾旅行時に開設して以来、これまで三年間書き続けてきた、べるもっと・じん。のブログです。

本日より、ブログはこちらのサイトに、移設いたします。
(2012/06/27追記:ブログサイトのメインとしては、以下を用いてまだまだ連載しております。)

http://www.jiten.biz/blog

こっちのブログは内容をそのまま残しますが、以降は更新しません。

大事だと思う過去の記事は、新ブログにも移植するつもりです。

今後とも、べるもっと・じん。(鈴元仁改め)をよろしくお願いいたします。

アジアの隣人との相互理解と、平和の時代がいつかやって来ることを、夢見て-

2009年7月2日

(2011年7月13日追記)

このブログは、再利用します。
現在京都西陣小学校跡で毎週論語・孟子読書会に参加しているところですが、そこで切ったレジメをこのブログに掲載して、保存したいと思います。当面は、論語読書会のレジメを、投稿することにします。

コメント (16)

中国の弘毅:

こんにちわ。

僕は、鈴元さんのブログを読んだときに、いろいろな気持ちを生まれました。僕は中国でに反日の世論が高いときに子供のときを過ごしたら、ずっと日本のことを嫌った。しかし、日本語を学んできてから、日本のことを好いてきた。

僕の日本語はまだまだ下手ですから、一年前に日本人にブログで相談することが苦手し、日本で中国への悪い気持ちを見たときちょっとがっかりさせた。どうして中国と日本、二つの綺麗な民族がいつまでもそんなので恨んで続けてるか?

ところで、鈴元さんの孟子の翻訳を読んで、学んだことは沢山あります。よろしくお願いしますね^^。

べるもっとじん。:

中国の弘毅さん。はじめまして。

私のブログや、さらには以前連載していた『孟子』の日本語訳まで読んでいただいて、大変感激です。ありがとうございます!

かつての日本が、中国、さらには東アジア諸国に帝国主義的侵略行為を行ったことに対して、私はかつての自分の国を弁護するつもりなどありません。少なくとも日露戦争に勝利した以降の日本は、欧米に侵略されるおそれなどない、世界の列強国の一つでした。それから後の日本の外交は、いちいちが侵略でした。それは防衛戦争などというものでは、ありませんでした。

あなたが今の日本を好きになってくれているのが、とても嬉しいです。現在の日本は、かつての経済大国の地位がだんだんと怪しくなり始めて、このままでは外国に打ち負かされるのではないかという恐怖心を煽る論客が、次第に増えています。しかし、私をはじめとした普通の日本人は、かつての日本人ではもうありませんし、これからも元に戻ることはないはずだと、私は信じています。楽観も、しています。

どうか、日本と中国という深い文化の伝統を持った両国が、互いに平和と繁栄を続けて、(ここから後が大事です)決して安泰とは言えない今後の世界に対して、両国が名誉ある役割を果たすことができるように。それが、大国の「王道」と申すものです。「王道」とは、『孟子』の中にも出てくる理想政治論です。「覇道」の反対語です。

鈴元さん、
返信が遅くなってしまってごめんなさい。アルバイトを働いてが、日本語の翻訳するまだまだうまくにすることができないだから。
私は、中国でも米国でも日本でも自分の国の偉さを信じすぎだから自国の暗い面を見られなくて、そして疑心暗鬼に陥って自国が他国へあげた傷害を目覚められない人々を沢山ありますと感じます。過去の私も中国の歴史を沢山読んで愛国心が脹らみあがりから、共産党の罪(文化大革命など毛沢東時代に様々迫害運動)を見えなれてしまった。だから鈴元さんは中日両国の悲しい歴史に対して、極端的な国粋主義をそらされることがとても偉いです。
だが、翻訳がゆっくりして梁恵王上<一>ただを読んだ私も疑問があります。鈴元さんのコメントで、「『仁義』とは言い換えれば他人とのいい付き合い関係のことだから、社会を離れた一個の個人のあり方については全く想定の外である。」と書いた。だが、そんな人があります。あの人が子供のときに他国に移民を強迫された。他国に行ってから周囲の子供たちを見て「怠惰な人が沢山いるんだ!」結論を得た。怠けるになることが嫌し、習俗が異なるなど理由によって周囲の子供たちを離れてしまった。一方、両親が他国に移民した決定を恨んで両親も離れた。もしかしたら今あの人が孟子の道を踏みたいなら、どうすればいいかな?お願い、教えてください。
ところで、鈴元さんが、「ひぐらしのなく頃に」を見ることがありますか?そのアニメは、私が「中日関係」の見方を変わった。本当に綺麗なアニメですよ!
中国の弘毅

べるもっとじん。:

中国の弘毅さん。またも返信、ありがとうございます。

「朋(とも)の遠方より来る有り、亦楽しからずや」とは、『論語』の言葉です。遠くの人からの心のこもった言葉は、いつも会っている身近な人たちの付き合いよりも、人にとってさらに貴重なものだと、私は思います。

「ひぐらしのなく頃に」は、名前だけ知っていますよ。大ヒット作ですね。ただ、私はなにぶん歳なので、近年の作品をあまりよく知りません。「ナウシカ」とか「ヱヴァンゲリオン」とかを同時代で見た世代です。

『孟子』を読まれた、あなたの感想について。

私が、『孟子』の道徳は、他人との付き合いが前提であって、他人を離れた状態の人間とは無縁なものだ、と自分で書いた箇所は、今でもそうだと思っています。

あなたのご友人は、おそらく高潔な心の人で、高潔さが足りない周囲の人々から孤立しているのだろう。その人の心のあり方は、基本として間違っていないと思います。
ただ、そこから先に、生きていく上で何をしていくか。

『孟子』の別の章では、伯夷(はくい)という古代の人物を、孟子が高く評価しています。この人は、革命で前の王朝を倒した周王朝に従おうとせず、暴力革命を何が何でも忌み嫌って、山の中に逃げて餓死しました。孟子は、この伯夷の、世の中に妥協しない高潔な心を、賞賛しました。
 
同時に、柳下恵(りゅうかけい)という孟子の少し前の人物もまた、賞賛しました。この人物は、誰でも来るものは拒まず上手に付き合って、賢人として高い評判を受けました。

孟子は、まず正しい心を持つこと、それが大事で、そこから後に進む道は、人それぞれでいい、と考えているようです。伯夷のように人とうまく付き合えないが、筋を通して不幸になってしまう道もある。それは、正しい人であるならば、人の心を打つものでしょう。本人は不幸でしょうが。また柳下恵のように付き合い上手であれば、それもよい。

孟子は、心に無理をさせてはいけない、と言っているようです。彼は人間の心はもともと善であると主張しているので、善の心であれば、そこから先は人の資質によって、道を進んでいけばよいと言っている、と私は解釈しています。あなたのご友人も、善人なのでしょう。だから、周囲から浮き上がっている。善の心を持って、それから後は自分の性質に無理をさせないことがよいのではないか、と私は思います。

鈴元さん、
コメントでありがとうございます。そして、ごめんね。詐欺の意図がないけど、実は前回私が言った友人は、私自分です。私が子供のときに米国に行ってさせて、両親が中国語の本を離させられたから、そして周囲の人々との付き合い事が下手から、儒教を従いたいけどずっと迷ってしまった。だから、今鈴元さんに出会ったことが、私はとてもうれしいです。
一週間で考えて考えて、鈴元さんの言葉の筋が通ってしまった。「仁」の道は、ほとんど名誉、富などものを保証することが出来ないけど、善人から「仁」を離すべきことが毛頭ありません。確かにキリスト教の天国に比べて、儒教には善人の報酬があまり説かない。しかし、科学的な観点に見たらクリスト教に筋を通らないところが沢山あったり、極端な(特別に、イスラム教徒などのキリスト教徒じゃないの他の民族)恨みを煽ったり、中国人として私が他国の文化を崇拝しながら自分の歴史と文化を何も知らない中国人を嫌ったりしたから、私はクリスト教徒にならなかった。残念なのに、米国では中国人から、クリスト教徒になければ他人との付き合いが難しい、と私は思います。
さて、この一週間の大事について、私もコメントがあります。鈴元さんが、貴国の菅首相が韓国への謝罪することを知りますか?
私が、「それはきっと、日本とアジア諸国の関係が新しい一頁を掲げる」と伝えて賞賛したいです。最近私が日本にの報道を読んで韓国では「謝罪が不十分だ!」の気持ちを知ってます。それでも、日本の政府がそのまま正確な道を続く決心を揺らがないべきと思います。歴史にの韓国は、何度も傷ついて、誰かと戦っても惨敗して国家の尊厳を守れなくてしまった。だから今韓国の極端な国粋主義者が虐待された子供のように、どんな優しい友達も信じられない。残念なのに、今の日本(と中国)は「やさしい友達」じゃない以上、昔に両国も韓国に加害することがありますね。ところで、日本では菅首相の謝罪についてどんな感想がありますか?私は知りたいです。
さて、私は疲れた。じゃあ、また来週!

べるもっと・じん。:

中国の弘毅さん。いつもながら、力のこもった返信、ありがとうございます。

なるほど、友人とはあなた自身でしたか。実は私も、そうだろうなあと予感していました。正直に申していただいて、ありがとうございました。

アメリカは結局のところ、建国の精神から言ってキリスト教国家ですので、アメリカではキリスト教徒でないと何かと不便である、というのはおそらく真実でしょう。それは、国の持っている「文化」というべきものであって、私はそれでアメリカを批判する筋合いのものではない、と思っています。日本には、日本の文化と宗教があります。あなたのバックグラウンドである中国も、またそうです。儒教は、もともと中国で生まれ、漢字で書かれた本を教典としています。それは、中国文化の血と肉から生まれたものです。興味があるのでしたら、どしどし学んでください。

ただ、キリスト教やイスラム教にもマイナスの面があるのと同じく、儒教にもやはりマイナスの面があると思います。儒教の道徳は、教えの積極的な心を見失って、道徳のお説教に堕落してしまったならば、単に皇帝とか官僚とか家庭の長とかの権力に盲目的に従うことを勧める、強者に都合のよい教えとなってしまいます。歴代の中国王朝が儒教を国教として採用した本当の理由は、あまりにも大きい帝国を力だけで支配することが不可能なために、国や家庭の目上の者を敬う心を善であるとする儒教の教えを、好都合として利用したところにあったのです。
かつての朝鮮は、すでに硬直的な教えに堕落してしまった儒教を採用して、結果として国家の根幹まで腐ってしまいました。
私は、あなたにできれば儒教が中国や朝鮮に及ぼした悪い面も知ってほしいと、思います。それは、儒教が堕落してしまった結果だったのです。キリスト教だって、堕落した結果として宗教裁判や異教徒虐殺の歴史を起こしてしまったのです。

菅首相の、謝罪表明について。

私は、自分で日韓併合の歴史を学んだ結果、日本の首相が併合百年において改めて謝罪したのは、当然のことであったと思います。日本の論者には、謝罪の必要なんか全くないと主張する意見もありますが、私個人の意見としては、とんでもないことだと思います。日韓併合後に日本が半島で行った政策は、基本的に植民地経営でした。私は、他民族を植民地として経営することは、かつては時代の流行であったとしても、現代においては倫理的に悪である以上は、他民族に対して過去を反省することは、何も悪いことではない、と考えています。
反省した上で、韓国側の日本統治時代についての誤った認識については、異論を持つべきです。
日本統治時代は朝鮮にとって経済成長時代で、国民の生活水準は急上昇しました。韓国の工業化の基礎は、明らかに日本の資本と教育があったからです。日本が韓国を経済搾取した、というう主張は、私は誤りだと思います。言い換えれば。日韓併合以前の朝鮮は、みじめな程に政治が腐敗して、国民は苦しんでいました。
また、確かに日本は朝鮮の独立運動を残虐に弾圧し、日本の支配は温情などありませんでした。しかし、当時の住民の大多数は独立運動に無関心で、日本への協力者もまた多数いました。韓国人がかつて全て日本の支配に反抗して立ち上がった、という主張は、神話にすぎません。
私は、彼らの日本支配時代の歴史認識は、日本憎しの感情に流れて、客観性を見失った見方が支配していると思います。しかしながら、それでもやはり日本の支配は韓国人を愚弄した時代として、批判されるべきであると考えています。以上のような恩恵があったのだから、日韓併合は正義であったと主張する一部保守派の主張は、私は同意できません。

私の感想としては、韓国人が日本の謝罪を真に評価して、両国が過去のわだかまりを消した関係となることは、残念ながらまだまだ時間がかかると思います。韓国人にとって、日本を敵視して蔑視することは、いわば彼らの「文化」となってしまっています。文化だから、血と肉に張り付いています。だから、よっぽど意識して日本人と友好したい、と願う心が湧き上がって来なければ、相変わらず本音では日本を疑い、敵視する感情は彼らから消えないと思います。それが消え去るのは、まだ先です。
それでも、かつてに比べれば、韓国人の日本に対する見方は、ずいぶんと柔らかくなっていると、思います。これは、私じしんの韓国人の友人たちを見て、思うことです。

日本では、保守系の新聞雑誌で、菅首相の謝罪が批判され、ときに嘲笑されています。左翼政治家らしい土下座外交である、と。
私は、韓国に植民地時代を謝罪すべきでないという意見には反対です。しかし、彼ら保守派の懸念にも、一理はあります。
韓国は、竹島を韓国固有の領土だと主張し、日本海の呼称を国際的に変更させようと運動しています。彼らは、これを受け入れようとしない日本に対して怒り、過去の反省が足りないなどと主張します。
しかし私は、これらの主張に対しては、日本側に立ちます。私は、日韓併合以前の歴史から見て、韓国の主張は疑わしいと考えています。したがって、日本として韓国の主張を受け入れることができないのはやむをえない、と考えています。それは、私の過去への謝罪の感情と、矛盾しません。これは、日本の国家として本来持っている権利を主張しているのであり、韓国を植民地化した経過とは、切り離すべきだと思っています。

保守派は、菅首相の姿勢が、日本の主権を脅かす結果となりかねない、という点を最も懸念しています。私は、その点だけは保守派に同意します。過去の悪を謝罪することと、国として正義と権利を主張することとは、両立させるべきだと思います。正しいと考えることを相手に対して言わないことは、かえって国際正義のためにならない。私は、正しいことと正しくないことを自分で慎重に選択した上で、あえてそう思うのです。

中国の弘毅:

鈴元さん、返信が遅くてしまってごめんあさい。先月に学校が始めたし、私の頭もひどく痛いが始めたから、病院にいかなければなりませんでした。そして毎日八時の日本語のクラスにいくのため、早い起きることが必要になりました(私の先生がとても厳しいです。悪魔だ! 笑)から、遅いまで寝なくてメールを書くことが出来なくなりました。鈴本さんが今月は、いかがですか?

先週に、私が日本語のクラブも入った。クラブの雰囲気がよくて、人気なのです。クラブには、中国人、日本人、白人、黒人、いろいろ人が沢山いました。まず、中国の留学生の会は、週末の中秋節(中国の秋祭り)とみんなさんに紹介して、誘いました。次ぎに、日本語のクラブの会長が話題を出た。それは来週のピクニックと、そしてポケモンです。みんながポケモンを知っていて、ポケモンの戦いのカードを集うことも大分あるから、沢山沢山楽しみでした。

クラブには、誰もが「シナ人」とか、「日本犬」とか汚い言葉を聴けません。それに比べて、今中国にと日本にと住んでいる人々がするのは、大人気ないでしょう?
残念なのに、中日両国のリーダたちが何度も「中日友好」を唱えるけど、どんな小さな紛争が起こせば早くに拡大してしまう。今度の事件がそんな悪い方になるの理由のひとつは、日本側は中国が釣魚(尖閣)列島についてずっと沈黙を、間違って「主権放棄」に解訳すると、私はそう思います。本来事件が公開しなければ、両国政府が内密に対話して、誰でも許せる解決の方をきっと探れる。でも公開してから、中国政府が国内の圧力に脅されたから、軟弱そうな対応が出来なくなりました。

私は、中日両国がこの事件が二度と発生しないのために、もっと完善な対話制度を建つべき、と思います。争いに深い陥れば陥るほど、そんな制度の必要が高くなるから。中国政府は中日両国の交流を切断以外、日本政府にまじめさせる方法がないから。しかし交流が切断してから、紛争を解するチャンスもだんだん消える。

鈴元さんが日本人から、この事件について観点は、私のと違ったかもしれませんね。もしそれならば、率直におしえてください。私は、中国側も日本側もの観点を考えないから、ほんの解決の方を見つけることが出来ないと思います。

皮肉に、今中日両国が釣魚(尖閣)島について紛争が、ちょっと日韓両国が竹島について紛争に似るね。韓国政府が日本に対して戦略を、日本が中国に対してコピーした。でも、今度中国がこの戦略を壊す方法を、日本は学べないでしょう。日本と韓国が、米国の中国と北朝鮮に対抗する同盟のメンバだ。日本が米国の意志を挑むことが出来なくて、日本が韓国に争いが起こせば北朝鮮の侵略を誘ってしまうでしょう。

私の日本語はまだまだ下手ですから、そんな短い返信でも大変になりました。今回私は、鈴元さんの日本料理を作り方を学びたい!日本料理を作ることがないけど、私はずっと日本料理が好きですから、来週に作ってみたい。鈴本さんが、どんな中華料理が一番好きですか?

べるもっと・じん。:

弘毅さん。

いつもいつも、ありがとうございます。私のメールが、あなたの日本語学習の糧(かて)になれば、幸いです。

9月22日が、仲秋節(Mid Autumn Festival)でしたね。日本では、「仲秋の名月」といいます。中国から伝わった風習で、韓国・ヴェトナムでも重要な祭日です。私が住んでいる京都でも、雲の切れ間からきれいな月を、見ることができました。

私は、日本で働いて帰国した外国人のみなさんに対して、支払った年金の払戻金の手続を代行する仕事をしています。世界各国から、依頼を受け取っています。アメリカからも、モンゴルからも、韓国からも、そして中国からも。豊かな暮らしはできませんが、何とか生活しています。

中華料理では、私は「宮保鶏丁」が好きです。チキンとカシューナッツを、辛味と酸味を効かせて炒めた料理です。餃子も、青椒肉糸(肉とピーマンの細切り炒め)も、八宝菜も、みんな好きです。中華料理は、簡単に作れてしかも美味い。中華料理・日本料理・韓国料理は、それぞれが東アジアの偉大な文化だと思います。


さて、今回の日中間の領土問題です。
ここから後は、辛いことを書かずには、いられません。気に障ったら、ごめんなさい。

私は、紛争を好みません。ましてや、戦争はいけません。人間という生物は、怒りに我を忘れると、道具を持っているために破壊の程度が他の動物よりも比較できないほどに大きく、そして記憶力を持っているために、自分や愛する者が傷つけられた悲しみを、恨みに変えて後の世まで長く持ち続けることができます。だから、いったん武力行使に踏み切ると、後の時代まで悲惨が残るのです。これは、歴史を学べば、すぐに分かります。

しかし、私はあなたに、私じしんの心の中を申すことだけは、しておきたいと思います。争いはいけませんが、正直であることは人間の基本です。私は、高等な交渉をしなければならない、政治家や外交官ではないのですから。

私は、今回の尖閣諸島での事件について、激しく怒っています。
元来、私は国どうしで争うよりも、互いのよい点を理解しあうほうがよい、と考えています。だから、相手の国を知りもせず、相手の国の人に会ったこともないのに、蔑称で罵る人間は、嫌いです。
しかし、私はそれでも、今回の事件での中華人民共和国の対応については、日本国民として怒りを禁じえません。
私のような人間が、怒っているのです。一般の国民は、これまで以上に怒っています。おそらく、このままではもう中華人民共和国への日本人の感情は、後戻りできません。日本は一見平静に見えますが、メディアやインターネットでは、激怒の論調が増すばかりです。

今回の事件は、日本が尖閣諸島に侵入した漁船の船長と船員を逮捕して抑留したところから、始まりました。
以前、小泉純一郎内閣は、逮捕した船員を政治判断で直ちに本国へ送還しました。本当は、今回もそうするべきだったのです。
しかし、今の政権は、これを拘留し続けることを、容認しました。それで、中華人民共和国は、報復措置を発動して、脅迫を始めました。
結局、日本政府は一方的に中華人民共和国の脅迫に屈従する形で、船長を解放しました。しかし、事件と並行して「軍事施設で違法撮影をした」という理由で河北省で逮捕された四人の日本人は、まだ抑留されたままです。日本人は、100%これを報復のための人質だと、見ています。そして、中華人民共和国の政府は、抑留した船長について謝罪と賠償を要求しています。日本人は、これらのことを全く筋が通らない、正義にもとる対応であると、意見が一致しています。意見がふらついているのは、中華人民共和国と外交しなくてはならない、日本政府だけです。日本政府は、海上保安庁が撮影した漁船を逮捕する時のビデオを公開するのを、渋っています。その理由は、公開したら日本人の世論が怒りに沸騰するからです。公開されていないので分かりませんが、おそらく漁船は警告した日本の船に、なんらかの暴力行為をしたので、逮捕したのでしょう。(ちなみに、今回の船の船長は、過去に二度同様に尖閣諸島に侵入して、日本から警告を受けています。だから、彼は確信犯です。)

どうして、日本政府が弱腰なのか?
それは、今日本が中華人民共和国と争っても、勝つ手段がないからです。勝てないのに争っても、しようがありません。
だから、日本人は歯ぎしりしながら、無力感に沈むより他はないでしょう。

領土問題についてくどくどと述べたくはありませんが、少なくとも日本人の立場から言って、尖閣諸島が日本領でない根拠は、何一つありません。そして、竹島と違って、尖閣諸島は現在日本がまだ領土として確保しています。争いたい点があるならば、交渉の上で共存してほしいものです。暴力行為を取り締まることができなければ、主張を通すならば何をやってもよい、という結論に達します。つまり、領土を得るために戦争を肯定する論理に、つながっていくのです。

かつて20世紀のはじめごろ、中国は日本やイギリスを始めとした列強の武力に屈して、いいようにもてあそばれていました。北京の政府は、当時は軍事大国であった日本から金をもらって、その理不尽な要求の言いなりとなっていました。当時の評論家は、もう中国は滅亡するだろう、と予測していました。
それに対する反抗の声は、民衆から上がりました。1919年の五・四運動は、列強とりわけ日本の横暴に対する最初の反対の声であり、そして腰抜けの政治家に対する民衆の側からの鉄槌でした。
理不尽だと民衆が感じたときの反応は、かくのごときなのです。私は、今回の事件については政治家よりも民衆が率先して怒ったほうがよい、と思っています。かつての、五・四運動のように。日本と中国は、いまや攻守ところを変えたのです。中国はいま優位に立って、攻めています。日本の政府は強く出ることができず、腰抜けとなっています。しかし、正義にもとると感じて怒らないのは、人間ではありません。昔の日本政府が中国の民衆の抵抗を侮っていたように、今たぶん中華人民共和国の政府は、日本の民衆を侮っています。これは、やがてその非を思い知らされることとなるでしょう。

私は、中華人民共和国の政府に対して、怒っているのです。漢人や漢人文化に対しては、変わらず好感を持っています。それは、私のこのブログでの台湾旅行記を読んでいただければ、分かっていただけると思います。しかし、日本人の中国ぜんたいに対する感情は、残念ながらおそらく今回の事件で、非常に悪化してしまったと思います。現在アメリカでは、反イスラムの感情が次第に高まっていると伝わっています。ヨーロッパでは、ロマ(ジプシー)が敵意の標的にされています。世界中で、これまで敵意がなかった土地に、敵意のスイッチが押されているのは、悲しいことです。

私は、今後とも人間として、理性的であるつもりです。理性的でありたいから、不正義だと思った今回の事件には、怒りました。そして理性的でありたいから、政府と民衆をいっしょくたにして、罵倒したりしません。もっとも、今後に両者をともどもに罵る意見が日本から出てくるのは、おそらく確実です。

あなたの感情を傷つけたならば、申し訳ありませんでした。学業、ますますがんばってください。

中国の弘毅:

鈴元さんが今たぶん怒るでしょう?今尖閣島について紛争を、日本が惨敗した。中国人として私は、私の国がこの事件に対して、ちょっとやりすぎと思います。しかし私は、最後の言葉もあります。

中日両国が尖閣列島の紛争が、七十年代に起こして、決して最近に起こした紛争ではない。ずっと中国政府が釣魚島(尖閣列島)について、「共同開発」を主張した。それなのに、日本が尖閣列島に、建物を立て、自衛隊を派遣して、中国と台湾の漁民を駆逐した。今回、もし中国は日本が中国人の漁民を日本の律で罰することを許せば、これから「尖閣が日本領」ことを黙認してしまって、完敗した。過去日本は、いつまでも中国の尖閣について抗議を無視した。さあ、今中国が強硬さになり以外、どうすればいいかな?

そして、今釣魚島(尖閣)に、日本の自衛隊がまだあり、日本の建物もあります。島はまだまだ日本領です。だから今度中国の行動は、「勝利」ではなくて、「失敗」をそらすだけと、私は思います。

実は、最近中国は日本に対して行動を、私は日本側に立った。中国が日本円を買うのは、明かに勝手な行動です。しかし今中国に、国粋主義が高くなってるから、相手に配慮することがぜんぜんない。私はこれに対して、何かを出来るかな...

鈴元さんはまだ私に怒るから、私は理解できます。何か悪い言葉を言ったから、私はもう一度謝ることを願います。

さよなら。

べるもっと・じん。:

弘毅さん。

あなたは、私の友人です。
だから、あなたと言い争いをするなどは、私は愚かなことに思えるので、したくありません。

尖閣諸島に対する日本の立場、そして日本人としての私の立場は、前回申した通りです。日本領として日本国が譲らない以上は、管理して防衛するのは、国家の権利かつ義務です。

たしか鄧小平氏だったと思いますが、30年ほど前に尖閣諸島問題について言及し、「釣魚島のことは、私たちの世代の間は、両国で触れないようにしよう。」と発言したと思います。今から最近の一連の事件を思い返して、痛恨なのは、この言葉どおりに続けられなかったことでした。

国家の論理からすれば、領土の中に違法に進入した者を逮捕拘留するのは、法の手続どおりです。しかし、以前に小泉純一郎内閣は、今回同様に逮捕した漁船を直ちに送還しました。事がこじれるのが、目に見えていたからです。

しかし、今の政府は、事がこじれる方向に踏み込んでしまいました。それで、中華人民共和国政府の報復を受けて、慌てて撤回しました。惨敗して、世界に恥をさらしたのです。

もし、あの時点で中華人民共和国政府の側も、成果を見て引き下がったならば、批判はおそらく日本政府に専(もっぱ)ら向かったでしょう。しかし、中華人民共和国政府は、さらに謝罪と賠償を要求し、日本人四人の拘留を続けました。このことが、日本人の怒りの火に、油を注いだのです。これは、日本への挑発だと受け取られています。(私は、レアアースの禁輸や円高誘導などの経済的攻撃は、大人気ないとはいえ報復戦略としてはありえることだ、と思っています。しかし、ほとんど人質のように日本人を死刑もありえる国家機密漏洩罪で拘留することは、人の命を盾に取る報復であって、方法としてひどすぎると思います。)

また、もし三十年前ならば、同様の事件が起こっていたとしても、大した騒動とはならなかったでしょう。三十年前は、日本のほうが中華人民共和国よりも、経済的にはるかに強大でした。

しかし、今や中華人民共和国は、経済的に弱国ではありません。つい最近も、GDPで日本を抜いたという推計が発表されました。

そのようにすでに強者となった国が、謙虚にならず要求をエスカレートさせている。これが、隣国に底知れぬ不安感を与え、そして怒りを招いているのです。かつては、中華人民共和国は沖縄を併合することを企んでいる、という意見など、相手にもされませんでした。しかし、現在の日本の世論では、真剣に対策を考えないと、かの国は本当にやりかねない、という意見すら、あながち否定されていません。

(尖閣諸島に中華人民共和国が領有権を主張し始めたのは、1971年に突然のことでした。中国が弱体化していた時代の国境画定条約は無効だという論理が通用するのならば、沖縄と台湾との境界を画定した過去の条約も無効であるという主張に、論理的になってしまいます。)

強大である者は、礼節を守り、謙虚であってはじめて隣人から信頼されます。それが、孟子のいう「王道」です。強大であることを背景に、力で相手を挫こうと試みる者は、孟子のいう「覇道」です。かつての大日本帝国が、「覇道」でした。現在の中華人民共和国は「覇道」を進んでいるという意見が、ますます日本の世論の中で広がっています。

今の日本は、三十年前の日本に比べて、相対的に経済が弱化して、余裕がなくなっているのです。自分が強くないと認識した者は、強い者の横暴に敏感になります。今回の事件に対する日本人の反応は、そのために起こったのです。

弘毅さん。

あなたは、私をはじめとした日本人が、怒りすぎだと批判なさるかもしれません。しかし、強い者の横暴を感じたとき、それでもニコニコとしている者は、ただの愚か者です。私は、隣国との友好を願うからこそ、今の日本人は怒りを見せたほうがよい、と思っています。怒りを見せなければ、自らのしたことに対する反応が、隣国に伝わらないからです。

尖閣を得て、日本を失う。

隣国の指導者が賢明ならば、このことが分かるでしょう。尖閣諸島をこれから武力で支配することになれば、もう二度と日本人は中華人民共和国のことを、好みません。

願わくは、偉大な歴史を持った日本の隣国が、富にふさわしい礼節を持って、真の「王道」を歩んでほしいものです。もしそうでなければ、日本人はこれからも怒るでしょう。暴力はいけませんが、怒るのは人間の自由です。あなたは、私や日本人が怒っているのだ、ということを知っていただければ、結構です。日本人でないあなたが、同意してくれなくても、それは致し方のないことです。同意していただけるならば、現在の中華人民共和国は、強さにものを言わせてやりすぎだという意見を持っていただければ、幸いです。

長く書いてしましまいた。

こんな問題は、本当に嫌なものです。これからよい方向に向かうことを、祈らずにはいられません。とりわけ今の日本の政権は、日本に恥をかかせた罰として、すぐに総辞職するべきです。その上で、隣国とも話ができる政権を作って、なおかつこちらの主張を隣国に語ることに、尽きます。無益に争うことも、頬かむりをして黙っていることも、将来に最悪の結果をもたらすだけです。

中国の弘毅:

鈴元さん、
 
  鈴元さんの返信を読んでから、私はずっと不安を感じた。鈴元さんを言ってくれた「中国の言動は強い者の強暴」とは、私の認識と違うけど分かれます。先回私は、「日本語を学ぶ前に国粋主義者でした」といった。あのときの私は、ずっと尖閣について考えは、日本が強いから武力で尖閣を占め、愛国の私はどんな努力しても、無能な中国政府は私たちを売って、保釣行動を制止した。以上の考えは、鈴元さんは今考えているのと、ちょっと同じでしょうね。(今私の考え方はもちろん変わった。)鈴元さん、この世に日本政府より悪い政府が沢山いますし、外交失敗は、どんなよい政府も時々にありますね。例えば、2002年に米国政府がイラクを攻めたいときに、スパインとポランドなど小国以外、誰も支持しなかった。

これまで、私は以下の言葉を言いたい。私は、孟子の理念を信じて、誰でもの「覇道」も反対します。「覇道」をしないように、私はいつまでも相手の観点を配慮で、誰でも満足できる方法を探ることを、支持します。だから中日両国の長い平和のために、私たちは、両国が平和で共存する方を想像するべきと、私はそう思います。

東アジアの歴史を見れば、領土について紛争がぜんぜんない。東アジアに古いからの国際関係は、すっと「天子」と「臣」の関係で、「名分」を強調で平等な関係がない。(もちろん、臣として国は、天子と領土を争うことが出来ない。)平等な相手に争い経験がないから、中日の間に紛争が起こせばずっと仲直りにする事ができなくて、疑心暗鬼になる理由のひとつでしょう。

じゃあ、西洋には、領土紛争があればどんな方法で解決かな?

西洋には、儒教の「名分」の争いがないから、争いが起こせばみんなが利益だけを考えている。だから、もし国力があまり平等な両国が領土紛争があるから、この両国が、勝つ者がないの戦いをそらすために、領土を分ける先例が沢山います。例えば、1800年代に、アメリカが当時の覇者、イギリスと領土の紛争がありました。紛争について領土は、今アラスカの南からカリフォニアの北です。最後に、両国がこの地を分けることを決定して、両国の人民も得て、その後で英米の間に領土紛争がもう起こしませんでした。

そして、そんな人が鄰人との紛争が起こすときに、「俺がすべて正確で、あんたはすべて違うだ!」というの?悪い日本語を使えば、絶対「英米」ではなくて、「中日」です。残念なのに、今中国と日本の任民の間に、深い疑いがありますから。

そして、今尖閣列島を分けることは、たぶん一番よい解決方法ではありません。だからいま平和のために、想像力をがんばって、新しい解決方法を探りましょうか?

私も、中国国民のほんの考えを探るために、いま中国の大手のインタネートサイートの鳳凰網のメンバになりました。そして、中国語をかける日本人の文章を見つけた。彼は、「日本と非常事態に対応規制と成立するべき」など理性な観点を出て、国粋主義者以外の中国人に好評されました。見てください:

http://blog.ifeng.com/article/7788991-3.html#comments

鈴元さん、私たちの見方は今まで、たぶんまだまだ違います。それでもいいよ。同じないバックグロウンドの人を会うとき、違う見方を生まれれば正常です。一番大切には、あきらめず、お互いに尊重し、出来ることに優先すると、私は思います。

実は、もしかしたら鈴本さんは、私のことを信じることが出来れば、鈴元さんが鳳凰網で、中国人たちに日本の観点を説明したいかな?よかったら、鈴元さんが、手紙を日本語で私を伝えて、私は翻訳してから鳳凰網でポストする。しかし私の日本語をまだまだ下手から、翻訳が一週間も取るでしょう。

べるもっと・じん。:

弘毅さん。

私にとって、あなたと知り合えたのは、しかもこのような時期に知り合えたのは、望外の喜びです。

紹介していただいた投稿記事を、読みました。
この記事の提案は、確かに将来的に考えるべき両国間関係であると、私は思います。
ただ、私は中文の読解力があまりないために、数多くのコメントを読み尽くすことができません。良識のあるコメントもあるのでしょうが、多くは日本人が読むと怒りで卒倒しそうな内容でした。日本のネット上のコメントと、内容的にはさほど変わらないのは、致し方のないことでしょう。両者の本音がこんな状態だからこそ、この記事が提案する会合は、将来的に常設されるべきです。後で述べる記事の、東アジアの安全保障体制と日本の立場への提案と併せれば、強力な東アジア地域の国際的制度となるでしょう。

今の中華人民共和国は、私が見るに、すでに周辺から見れば強国すぎるほどに強国であるのに、自分の意識では弱い存在であると信じている状態なのだろうと、思います。かつてのドイツ帝国や大日本帝国は、まさしくそのような段階を通りました。だから、私は心配なのです。コメントの中の多くが、日本を警戒してアメリカと対決せよと叫んでいるようです。だがそれを国家レベルで行ってしまえば、隣の日本はますます警戒し、不信感を増すばかりです。これが、「覇道」の結果です。力を見せ付けることは、隣国の信頼を決して育てません。しかし、そのような意見を無視しては、政府は弱腰と批判される。日本と、鏡のように同じです。いや、今回の事件で、日本が隣国と同じになってしまいました。

だから、この記事の提案のとおり、日中で争いを防ぎ、互いの言いっぱなしではなく互いの言い分を総合する委員会を、ぜひとも作るべきだと思います。今の争いが長期化することは、結果として日本にも中国にも害を及ぼします。

私は、今でも今回の事件での中華人民共和国の対応には怒っていますが、あなたとこうして意見を交換できたおかげで、冷静な着地点を見出すべき時期に来ている、と展望を持てる心境になってきました。大変に、感謝いたします。

日本語で申し訳ございませんが、現在の中華人民共和国の現状分析に、このような記事があります。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20100928/216407/
(全文を読むためにはサイトへの会員登録が必要です。無料ですが、個人情報の入力が必要となりますので、ぜひにとは薦めません。)

中華人民共和国は、日本の後を十倍ほどの規模で進んでいるのです。現在の大陸中国は、日本の1960年代あたりの高度成長時代に、相当するのでしょう。そうならば、次の時代が見えてきます。

今後、中華人民共和国は、日本と同じ問題を抱えるようになります。
労働力人口の人口全体に占める割合が減少して、日本以上に早いスピードで、高齢化していきます。肝心な点は、大陸中国はアメリカ合衆国と違い、そして日本と同じく、外国から新しい血を呼び込める社会には、なりえないということです。移民社会ではなく土着社会なので、高齢化する社会を若返らせる手段は、ありません。

労働人口の減少とともに、所得の目に見える上昇の結果として、これから大陸中国の賃金は高騰します。それは、とりもなおさず、外国資本にとってこれまでより有利な生産拠点でなくなるということです。

賃金の上昇に対する処方箋もまた、日本の道よりほかはありません。それは、経済の高付加価値化です。安かろう悪かろうの製品やサービスではなくて、質の高い製品やサービスに生産をシフトさせることです。

そのためには、外国資本が絶対必要なはずです。なのに、今回中華人民共和国政府は、最大の外国資本供給先である日本人を理由も不明なままに拘束して、日本が引き下がったにも関わらず、いまだに解放していません。私は、どうしてこのような一時の快をむさぼるような愚劣な策を日本に対して政府が行っているのか、理解に苦しみ、そして心配になります。記事にもあるとおり、中華人民共和国は、ビジネスの場としてのチャイナリスクを日本人にさらけ出したのです。この代償は、高くつきます。政府は、どんなに日本や周辺諸国との間に紛争があったとしても、安心してビジネスができる環境を整えなければなりません。今回の報復や、数年前の反日暴動など、今後は自分の首を絞めるだけなのです。すでに賃金で魅力を失いつつある大陸中国は、チャイナリスクがある限り生産拠点として留まる理由は、日本企業にはありません。東南アジアやインドのほうが、よほど安全です。

また、記事にもありますように、今回中華人民共和国はレアアースの禁輸で報復を行いましたが、これは輸出できる戦略物資が、これぐらいしかないからです。いずれ、レアアースは代替技術が開発されます。そうなれば、今回の脅しは二度は通用しません。逆に日本が重要技術の輸出制限を中華人民共和国にかけたら、どうなりますか。次に経済報復合戦などが起こったならば、苦しむのは日本だけではないはずです。

かつての大日本帝国もまた、「覇道」で相手の国のことを考えずに突き進み、資源を奪い取るために戦争を始めて、破綻しました。中華人民共和国は、大日本帝国の歴史を繰り返していけません。そのために、私は隣国に対して、力を誇示するのではなくて、礼節と謙虚さで信頼を勝ち取る、「王道」の政策をなんとしても持ってほしいのです。

日本では自衛隊増強論、日米同盟強化論が、勢いづいています。ただアメリカは日本と中華人民共和国の両方が重要なので、日米同盟の強化は期待薄です。

同じ雑誌の記事になりますが、別の記事としてこのようなものがありました。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20100921/216322/

骨子は、今後の日本の防衛方針として、アメリカ依存から脱却して、専守防衛の自衛隊を整えること。日本国憲法第九条は改正せず、日本が不戦平和国家であることを、これまでと変わらずアピールすること。そして、アジア地域で集団安全保障体制を作ることです。中国やコリア半島からいたずらな敵意の根拠を除き、歩み寄る場を作るために、このような大胆な策も、日本は考えてよい時期に至っています。もっともこれはアメリカの国益に反するので、アメリカは全力を挙げて潰しにかかると思われます。

今回の事件を奇貨(きか)として、日本も中国も、冷静に戦略を立て直す機会となれば、これこそ君子の知恵というものです。現在の両国のように、ただただ憤って騒ぎ立てるのは、孟子の言葉でいう「匹夫の勇」というものです。なんら将来への実りは、ありません。

さて、弘毅さんは、歴史も詳しいですね。
アメリカとイギリス(イギリス領カナダ)が19世紀に国境画定をして紛争を回避したのは、ご指摘のとおりです。
この例には、現在の尖閣諸島紛争に比べて、二つの有利点があったと、私は評価します。
・互いが「無主の土地」に進出して取り合い、早期に紛争が回避された。(もっとも、ネイティブアメリカンがいたのですから、あくまでもこの侵入してきた両者にとって、「無主の土地」だっただけです。)
・両国ともにアングロサクソンの国で、文化的に和解が難しくなかった。
これに比べると、尖閣諸島紛争は、はるかに困難です。不可能とは言いませんが、困難です。現在の両国の積もりに積もった不信感を、解消しなければなりません。あなたが指摘するとおり、東アジアの国々は、紛争を国の間で解決することに、全く慣れていないのです。
上の例とは違って、同じ西洋の国であってもドイツとフランスは、アルザス・ロレーヌを取り合って大戦争を起こしました。しかしこんな愚行の二の舞を、日中で行ってはなりません。今は両国の国民は不信に囚われていますが、少なくとも私は弘毅さんのことは、意見の違いはあるにしても、信用できる人物であると思うことができます。互いを知り合うことは、こんなにも大事なことなのですね。

私の意見を鳳凰網で発表するというあなたのご提案ですが、今の私にはとてもそのような自信がありません。これほどのデリケートな問題を、しかも意見を対立させている相手側の人々に主張するためには、確実な情報の裏打ちと調査が必要です。私には、そのような用意が、とてもできそうにないです。私は日本を貶めたくないので、いいかげんな主張を隣国の人々に言うのは、やりたくありません。日本のネット上でも、内容の軽い隣国側からの主張が日本語で書き込まれる場合をときどき見かけますが、日本のユーザーの怒りの材料にしかなっていない。よく事情に通じた加藤氏の投稿ですら、鳳凰網では怒りを招いているのです。私には、自信がありません。申し訳ないです。

学業、ますますがんばってください。

中国の弘毅:

鈴元さん、

  先の三ヶ月に返信を書かなかったでごめんなさい。この学期に忙しくなっていったり、テストを勉強したり、アルバイトもしたりしていました。先週は感謝祭でも家に帰られなくて、今日のテストのために一週間に勉強して、大変だった。

  鈴元さんは今たぶん、怒りになるでしょう。言い訳がありません。私は鈴元さんのことを忘れなくて、クリスマスの時に暇になると思います。

中国の弘毅

べるもっと・じん。:

弘毅さん!

学業に仕事に、多忙な日々だったのですね。
そんな中で、今も忙しい日々を送っておりながら、私に連絡を書いてくださったそのあなたの心が、私は大変に嬉しいです。

何を、気にすることがありますか?

こんなに、嬉しいことはありません。

また、あなたの思うところを、存分に書いてください。

私は、あなたの日本語学習の手助けになることを願って、お返事させていただきます。

クリスマス休暇まで、どうか頑張ってください。

鈴元仁

中国の弘毅:

鈴元さん、
  
  本当、大丈夫ですか?安全なら伝えてください。今心配していますよ!

弘毅

べるもっと・じん。:

弘毅さん!

ご心配をおかけしました。
今進行していることに心が奪われてしまって、このブログを見ることを忘れていました。(私は、他にもいくつもサイトを持っています)申し訳ございませんでした。

私は、京都に住んでいるので、地震すら感じることがありませんでした。地震当日、実家の両親と連絡が取れずに、一時青くなりましたが、両親は台湾に旅行していたことが判明して、事なきを得ました。私は、家族や友人がおおむね関西在住なので、私の近辺には被害はありません。

ですが、日本は憂慮すべき事態が、まだ続いています。

今の時点で結果を申すことは、まだ時期尚早ですが、世界が恐れている原子力発電所については、現場の人々の懸命の努力の結果として、ようやく好転に向かい始めている、と私は観測しています。ことは、一国に限りません。東京には、三千万人の人が暮し、多くの外国人が住んでいます。世界に信を繋ぐためにも、国の総力を挙げて、これを沈静化させなければならないのです。私は、現場に掛け付けて働いている多くの人々が、きっとこの事業を成功させるだろう、と信じています。

地震・津波の被災地は、悲惨そのものです。
被災地の数十万人の人々は、人間の最低限度以下の避難所生活に追い込まれて、一週間が過ぎてしまいました。
数があまりにも多くて、まだほとんど対策が取られていません。一週間経っても、避難者に食料と生活用品を届けることすら、完全にはできていない状況です。この方々に住居を与えるには、もっと時間がかかるでしょう。
すでに、人口の大部分が奪われてしまった都市も、あります。
これらの都市は、もはやそのままでは回復不可能です。新しい復興策を、これから立てなければなりません。

今は地震と津波、それに原発に人々の目が奪われていて、長期的な今後のことについて、人々は十分考える余裕がありません。
しかし、私はあえて、ここで今後のことを考えたいです。
今回の地震で、日本の国際的信用は、急落しました。
すでに、外国企業は、日本から香港・台湾などに拠点を移し始めています。
たとえ原発を封じ込めることができたとしても、世界に対する風評被害は、絶大です。日本からの食品輸出は、大打撃を受けるでしょう。
復興のためには巨額の資金が必要で、どうやって捻出するべきか、まだ考えることすらできません。日本は、ご存知のとおり、過去の失政の結果として財政赤字が累積しています。財政を破綻させないためには増税しかありませんが、増税はただでさえ現在暗い日本の景気を、いっそう冷やしかねません。

私は、この大災害で、日本の良いところと悪いところが、またも明らかとなったと、痛感しています。

良いところは、普通の人々です。
皆が、力を合せて、懸命に活動しています。災害に便乗して悪事を行うような不届き者は、いないわけではありませんが、ほとんど影響はありません。

悪いところは、国を指導する人々です。
今は批判をする余裕などない時期なのですが、災害が起って以降の対応が、非常にまずいです。それが原発事故を深刻化させて、国民をピンチに落とし、そして諸外国から白い目を向けさせています。

この両者の開きは、なぜなのだろうか?

普通の国民はよく活動しているのに、それらのリーダーがよい働きをできないのは、どうしてなのだろうか?

-結局は、私たち日本人が、国の根本をよく考えず、よきリーダーを選び、大企業の甘言と金にだまされない知恵を持たず、平気で日常生活を送って来た、その結果なのです。家族がどんなに勤勉に働いても、ドアに鍵を掛けることを忘れていたら、泥棒に一切合財盗まれて、勤勉も台無しです。これまでの日本は、そのようなものだったのです。

これから、猛反省しなければなりません。
猛反省して、国のあり方を転換させなければ、日本は沈んでいくでしょう。そして、諸外国からこのまま相手にされなくなるでしょう。

現在の世界は、むしろ中東の民主化のほうが、大きな課題です。
日本のことは、原発問題を除けば、世界の片隅の出来事にすぎません。
だから、日本は自らの力で、世界に信頼を取り戻さなければならないのです。
今の悲惨が一段落した後に、私たちにはさらに大きな課題が待っています。私は、国民がそれを自覚してくれることを、願って止みません。

弘毅さんも、学業に生活にお忙しいと思いますが、どうか頑張ってください。そしてできれば、遠くの地から日本を、仁愛の心をもって、厳しく叱ってください。

敬具

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