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『双系制をめぐって』柄谷行人

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明治以前 -- あいまいな双系制。武士道
明治維新~明治末年まで -- 近代化の脅迫の下で作られた父系化。儒教化、キリスト教
大正時代~日中戦争 -- 成功した社会の下での双系制への揺り戻し。私小説
(日中戦争~敗戦) -- 天皇制強化による父系化。植民地における神社崇拝と日本人化の強制。
戦後~1960年代 -- 天皇制に代わるコミュニズム原理追求による父系化。ただし大衆レベルでは浸透せず。
1970年代~ -- 高度成長の成功による双系制への揺り戻し。ポストモダン。ヲタク文化。

「それゆえにまた、歴史的な、対外的な危機において、たえず変容するものです。今後においても、急激な変化がありうると思います。」

1970年以降の双系制時代が、今外部からの圧力によって揺らいでいるように見える。再び父系化の時代となるのであろうか。そのとき日本人を縛り付ける原理は、ナショナリズムであろう。日本人は、そのときナショナリズムに適応するのであろうか。