頭足綱←漫畫(まんが)ページへ
タコやイカは頭と胴の配置が他の動物と逆さまになっていて、頭から足が生えている形となっている。この特徴を持った軟体動物が、「頭足綱」に分類されている。イカ(漢語名:章魚)、タコ(同:花枝)、オウムガイ(同:鸚鵡螺)の他に、すでに絶滅したアンモナイトも含まれる。だから「頭(の下に)足(がある)」という意味なのだが、「頭(を)足(とする)」とも漢語で読めるわけで、今回のオチとなるのだ。
タコといえば、そろそろおでんの季節ですなあ。面白いことに台湾ではおでんのことを関西の呼び方である「関東煮」(クァンドンチュー)と言う。関西で「関東煮」(「かんとだき」と読むのが正しいネイティブ発音)と呼び習わしているのは、この鍋料理が江戸由来のものだからだ。いっぽう「おでん」とは、「お田楽」(おでんがく)の略である。本来の田楽とは豆腐に味噌を塗って串焼きする料理のことだが、次第に豆腐や他の種を鍋で煮込んだ「煮込み田楽」も現れた。この煮込み田楽がおでんにつながっていくのだ。江戸の本式のおでんには、特徴ある種としてシラタキ・ハンペン・チクワ麩(小麦粉を練り固めた固い麩。チクワというより薄切りする前のナルトに近い)・ツミレ・ガンモドキ・スジ(鮫の肉の固い部分を練ったもの)が入っている。一方関西の一般的な関東煮には、板コンニャク・牛スジ・コロ(鯨の皮)・牛蒡天(ごぼてん。ゴボウを中に通した関西式「テンプラ」。つまり薩摩揚げのこと)・餅袋などが入っている。江戸式は練り物中心で軽快、関西式はボリュームがある。その中間には、名古屋式の味噌おでんもある。これは言うならば本来の味噌を使った「田楽」の精神を生かしている形と位置付けられるだろうか。
タコは関西の関東煮では普通に入れる種。大阪にあるその名も『たこ梅』のタコが有名だ。これは他の種が鍋の中で煮られるのとは違って、分けて作られている。京都の祇園にも有名な店、『蛸長』がある。でも関東煮で私が一番うまいと思うのは、タコでも卵でも大根でもなくて、長時間煮込んで中までダシの味がしみこんだジャガイモの丸ごと煮だ。
、、、ところで、ブレイクダンスしている兄ちゃんたちのTシャツに、信長の家紋の五ツ木瓜(いつもっこう)がプリントされているな。これは俗説に「木瓜(キュウリ)の輪切り」をデザインしたものだと言われているが、本当のところは古代中国の吉祥文様である「窠」(か)の変形で、鳥の巣をデザインしたものだ。著名な神社の御簾(みす)などには、しばしばこの「窠」の図柄が描かれている。
この暖簾に描かれているデザインが、四ツ木瓜(よつもっこう)。「窠」の文様から直接派生したバリエーションだ。